不健全な友情(赤僕)

(森口くんと藤井くん)

・相も変わらず不健全な話


 「あれ、森口くん?」

 久しぶりにあった小学校時
 代の友人は変わらず柔らか
 い雰囲気を纏っていた。相
 も変わらず男にも女にもモ
 テそうな顔してるなあ、な
 んて思っていたら「どうか
 した?」と首を傾げられる
 。そう言えば昭宏が言って
 たなあ、なんて考えて首を
 振る。いえいえ何も思っち
 ゃいませんとも。





 「あ、」

 真っ昼間から男二人が何や
 ってんだか。クーラーがな
 けりゃ自殺行為とも呼べる
 その行為は何ら生産性のな
 いものである。一体何だっ
 てこんなことしてんだか。
 と思うけれど、止めようと
 も思わないし相手からも言
 われないし。

 「お前さあ、加減って言葉
 知ってる?」
 「今日さ」
 「聞けよ」
 「拓也に会った」

 別に女を相手にしてるわけ
 でなし、必要以上に優しく
 するのもそれはそれで気持
 ち悪いだろう。と言い訳し
 て、今日の乱暴な所作から
 話題をそらすように友人の
 名前を口に出す。気怠そう
 に視線を寄越す相手の奥に
 ある眼鏡に手を伸ばす。「
 それで?」「それだけ」

 「あっそ」

 薄い反応はこいつには珍し
 くはないけれど。乱暴な行
 為のお咎めはないのか、お
 そらく面倒になっただけだ
 ろうが男は床に落ちている
 漫画の新刊に手を伸ばし読
 み始る。

 「相変わらず女にも男にも
 好かれそうな顔してたな」
 「だからこの前告白されて
 たんだろ」
 「あれならわかる、次は拓
 也でもいいな」
 「やめとけ、変態。お前じ
 ゃ相手にもされない」

 漫画から目を離さないまま
 返ってくる返事に「そうで
 すか」と一言。生々しい事
 後の隠滅をしながら箱ティ
 ッシュを投げつける。

 「腹のくらい自分で拭けよ」


不健全な友情

(そう言えば、この間藤井くんに会ったよ)
(二人ともちっとも変わらないね)




中身は不健全に変わっています。


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