※短いです
※途中暗いです。しかもラブが少ない(^q^)
「なあ兄さん」
「あー?」
ギルベルトがソファに引っ繰り返ってうたた寝をしていたら、不意に弟から声を掛けられた。
うっすらと目を開けると、窓から差し込む秋の柔らかな光がやたらと眩しく感じた。部屋に流れ込む風がひんやりとギルベルトの肌を撫で、寝呆けた頭を急激に呼び覚ます。
「今日が何の日か覚えてるか?」
「今日……?」
言われてギルベルトは棚の上に置いてある電波時計に目をやった。
カレンダーなら向かいの壁に掛かっているのだが、ぱっと今日の日付を確認するなら断然電波時計の方が楽だ。しかしいつもルートヴィッヒからは「カレンダーを見ろ!」と怒られる。
電波時計の画面には、今の時間の上に今日の日付が刻まれていた。
10/3
「あー……」
ギルベルトは思わず眉を潜め、天井を悪意たっぷりに見つめる。
「覚えてるよ。忘れるもんか」
ドイツ統一の日。当時は統一できて俗に言う死ぬほど嬉しいと思えた。
そんな嬉しい思い出よりも、ギルベルトの脳裏には離れ離れで辛く弱った自分の苦しい日々が先に思い出された。
「長年生きてきた俺の人生の中で、指三本に入るくらい辛かったからな」
口に出すと更にギシ、と音を立てて胸が痛んだ。きっと今自分は苦しい情けない顔をしているだろう。そう思いながら、ギルベルトの心は更に痛みを孕む。
「お前に会いたくても会えなかったんだ。まあ、俺も弱ってたし……」
言い切る前に、つかつかと歩み寄ってきたルートヴィッヒにがしっと顔を捕まれる。
はっとして天井から意識をルートヴィッヒに移すと、怒ったような、それでいて泣きだしそうに歪んだサファイアの如く碧眼があった。両頬からルートヴィッヒの手が小刻みに震えているのが伝わる。
いつの間にか眩しかった秋の光も身を潜めている。
「兄さん、もう……もうそんな弱気な事言わないでくれ」
「ヴェスト……」
ギルベルトは脅える子猫のように震えるルートヴィッヒの手に自らのそれを重ね合わせた。
「ごめん。お前がそんな顔するとは思わなかった」
そして操られたように自虐の言葉を並べ立てた自分を恥じた。
ギルベルトは重ねていた手をするりと滑らせてルートヴィッヒの目尻に溜まった雫を掬いとる。
「確かにあの時は辛かった。でも、統一してからは嬉しいことばっかりだ」
朝起きれば「おはよう」と声を掛けてくれる。一緒にご飯を食べる事ができる。いつでも何をしていても隣にはルートヴィッヒがいる。何よりも最愛の「ヴェスト」が。
「兄さん……?」
ルートヴィッヒが黙り込んでいるギルベルトにおそるおそる声を掛けてきた。それに答えるようにギルベルトは心の底からにいっと笑ってちゅっと口付ける。
「え?」
顔を離すとルートヴィッヒは状況が飲み込めないと言ったように目を瞬かせる。
ギルベルトはそんな弟が愛しくて、頬にもう一度口付ける。
「なぁヴェスト」
潜んでいた光が、再び二人を明るく照らす。
「これからはずっと一緒にいよう。もうあんな事繰り返したくない」
そういうとルートヴィッヒの顔が柔らかくなる。
「それはもちろん」
ギルベルトは一層笑みを深めてルートヴィッヒをぐいっと抱き寄せる。
「好きだ、ヴェスト」
これからもずっとずっと。
その後すぐにルートヴィッヒから「知っている」と返されて、ギルベルトは苦笑しながら再びルートヴィッヒと唇を重ね合わせた。
久々に文章書いた( ̄▽ ̄)
感想くれたら嬉しいです(;^_^A
東西兄弟おめ\(^O^)/
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