紅茶一杯。



換気とクレープとモブ
2016年11月9日 15:28

話題:二次創作文

※モブサイコ100注意
※本日の記念日ネタ

「今日は換気の日だそうですよ。」
言葉と同時に窓を開ける。ひゅう、と冷たい冷気が室内に入った。
「朝やったから大丈夫だモブ。閉めろ。」
パソコンの前から動かず、また視線もそのままで言う師匠。そうなんですか。と素直に閉めるモブに、側に居たエクボはその豊かな表情で師匠の嘘を示すが、モブはチラリと一瞥しただけで鍵をかけた。
別に師匠が嫌がることをしたい訳ではないのだ。閉めろというのなら、閉める。それで困る事も別段ない。
「師匠。」
「なんだ。」
「ここに来る途中、いつもの、たこ焼き屋の並びに」
モブは思い出しながら続ける。
「新しいお店が出来てたんですけど。」
「ああ。クレープ屋だろ?」
「はい。なんか、色々ありました。甘いのも、甘くないのも。」
そこまで聞いて、師匠はモブを見るべくパソコンから視線を外した。
「食べてみたいのか?」
ニヤリと笑う。ちょっと間をおいて、少々恥ずかしそうに頷いた。
「いいぞ。あとで行こう。」
「い、一緒にですか!?」
ドキッとするモブ。いつも通りに買いに行かされるのかと思っていた。
「だってどんなのがあるか分からないだろ。」
せっかくなら珍しいものか、美味しいと分かるものが食べたい。支払いするのだから。
「どうする。昼休みに行くか、帰りに寄るか。」
昼休みに行くなら、きっと事務所で食べるだろう。帰りなら、歩きながらだ。
モブは考えた。食べやすいのは事務所だ。しかし。
「帰りに、寄りましょう。」
師匠と、帰り道を。クレープを食べながら歩く。それはまるで。
(漫画とかで見る…)
親友との学校帰りみたいだ、と。気恥ずかしさと、ときめきが心を震わせる。
帰り道で買い食いの経験があまりないモブには魅力的だった。

この『ときめき』に別の気持ちも潜んでいた事にモブが気付くのは、まだまだ先だった。





・今日は換気の日でクレープの日でした。


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モブサイコ100




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