紅茶一杯。



いい兄さんの日とモブ
2016年11月23日 17:01

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※本日の記念日ネタ
※抱擁有り注意


「師匠、今日は『いい兄さんの日』です。」
「そういや、そーだな。」
ソファーで寛いでる師匠の隣に座るモブ。
「なので、どうぞ。」
「なにがだ。」
腕を広げ、ハグ待ちするモブ。
「今日だけ師匠のお兄ちゃんになってあげます。」
本人は真剣だった。
「…そうか。気持ちだけ受け取っとくわ、ありがとうなー。」
ソファーにもたれ、客来ねーなー。とボヤく師匠。腕を広げたまま師匠を見つめるモブ。
「それ閉じろ。待ってても俺は飛び込まないぞ。」
モブを一瞥し溜め息をつく。諦めないモブ。
「今日だけですよ。いいんですか。」
かなり真剣なモブ。貴重感をアピールしてくるモブ。無駄に綺麗な目をしやがってと内心舌打ちする師匠。
「いやぁ、弟君に悪いし。」
残念だなぁ、非常に残念だ!とバレバレな演技をする師匠。
「大丈夫ですよ、律は優しいから!」
笑顔のモブ。困惑の師匠。ふう、と息を吐く。
「あのなモブ。俺みたいな大人がお前の胸に甘えてみろ。その瞬間から事案発生なんだよ。」
俺は捕まりたくない。と自身を抱きしめて震える師匠。
「大丈夫ですよ、ここには僕と師匠と……」
チラッと斜め上を一瞥するモブ。
「カメラ構えて親指立ててるエクボしか居ませんから。」
「これっぽっちも大丈夫じゃねーじゃねぇか。こんなに大丈夫じゃない『大丈夫』初めて聞いたわ。」
証拠押さえる気満々じゃねぇか!とエクボが居ると思われる方角を向きながら立ち上がる師匠。
「オイこらエクボ!なに盗撮かまそうとしてんだ!」
とエクボ相手に慰謝料を請求しようとする師匠。の背後から現れるエクボ。
「こっちだバカ。いいからシゲオに甘えろよ。(性犯罪)メモリアルとして記録に残してやるからよ。」
REC中のエクボ。振り向きざまの盛り塩パンチを繰り出す師匠。すり抜けるエクボ。
「クソ!!」
怒りにわなわな震える師匠と煽りながら笑うエクボ。
怒りに任せてエクボのカメラに手刀するが、やはりすり抜けてしまう。なんだよそのカメラどうなってんだ、と愚痴る師匠。
立ったまま俯く師匠に、心配したモブも立ち上がった。
「師匠…」
小さく肩を震わせる師匠に声をかけると、師匠がモブを見た。目を潤ませ、頬をほんのり赤く染めて、震えた声を出した。
「モブ…あいつ懲らしめて。」
ぐすん、と鼻をすすると涙がポロリと零れる。それを見たモブは雷に撃たれたような激しい衝撃を受け、硬直する。が、すぐに回復するとその目はエクボに向けられた。
振り向きと同時に指先をエクボに向ける。エクボはモブの行動に驚愕し、カメラを放り出し小さな両手を必死に振ってストップをかける。
「ちょっ、待て待て待て待てシゲオ!話がちげーだろッ!?」
恐怖の冷や汗を流すエクボの叫びにモブがピタリと停止する。
「『話が違う』?」
モブの背後で今しがた使用した目薬をそっとポケットにしまっていた師匠の言葉に今度はモブがギクリと震え冷や汗を浮かべる。
ギシギシ鳴りそうな固さで首を動かし師匠を見ると、師匠からは疑いの眼差し。
「いや、あの…」
チラリとエクボに助けを求めたら、既に逃走済みだった。ギュッと掌を握るモブ。
「もしかしてお前が企てたわけ?あれ(カメラ)を。」
「そ…………」
答えたくない。答えられない。モブは俯いた。
「モブ。」
この空気には予想外な優しい声がふってきて、思わず顔をあげるモブ。
目の前の師匠は優しい慈悲の表情で、腕を緩く広げていた。堪えられずモブはそこに飛び込む。
「師匠ぉ!」
抱きしめられるとすごく安心して落ちついた。うっとりと腕の中で寛ぐモブを慈愛に満ちた表情で見下ろす師匠。
「いいかモブ。これが『包容力』ってやつだ……お前にはまだ無理だ、経験値が足りねぇ。もっと『兄貴力』を磨いて出直せ。」
「はい……霊幻師匠すごいです…」
師匠の兄になって師匠を甘えさせるという当初の計画は失敗したが、師匠の抱擁が気持ちいいのでどうでもよくなるモブ。やっぱり師匠は凄い。かなわない、そう再確認できただけで割と満足してしまうモブだった。





・『いい兄さん』でモブに甘える師匠が浮かんで、良いかもしれない…って書いたのにどうしてこうなったのか私にもサッパリ分からないです。
いい兄さんなので律も巻き込みたかったですが確実に師匠に牙をむきそうだったので止めました。


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モブサイコ100




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