紅茶一杯。



ペン回しとモブ
2016年11月26日 12:48

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※本日の記念日ネタ


師匠が何か書類を書いている。外が雨なせいか何時もより静かな事務所内に、ペンを走らせる音がやたら良く聞こえた。モブは漫画雑誌を読みながら、時々そちらに耳を傾けていた。
師匠の筆音がなんとなく好きだった。
しかしふと気付くと、音がしなくなっていた。終わったのかと顔を向けたら、難しい表情。
手間取っているらしい。書類とにらめっこしながら、手に持つペンをクルリと回す。
その動作にモブは興味を惹かれた。定期的にクルクルとペンを回す師匠。その手元を見つめるモブ。
格好いい、とちょっと憧れる。モブも通学カバンからペンを取り出す。師匠の手元を盗み見て、回し方を見よう見まねでやってみた。
勢いよく床に落ちるペン。音に師匠がそちらを見た。
「何やってんだお前。」
キョトン顔の師匠に、羞恥に顔を赤くするモブ。
「なんでもないです。」
とすぐさまペンを回収し、席に着く。気まずそうにチラリと師匠を見ると、不思議そうにモブを見返したが、すぐにまた書類に視線を落とした。

内心ホッとして、モブは考える。思ったよりも難しい。師匠はあんなに簡単にクルクル回すので気軽に出来るものだと思った。モブはもう一度、ペンを回してみた。受付の机にコロコロとペンは転がる。難しい。
チラリと師匠を見ると、怪訝そうな師匠がモブを見ている。
「もしかしてペン回ししてんのか、モブ。」
師匠の言葉に、素直に頷くことにした。師匠の事だから、きっと自ら教えて来そうだと踏んだ。そして見事、モブの読みは当たる。
きっと書類書きにも飽きていたんだろう。ノリノリで、教えてやると乗り出てきた。


モブに分かりやすいように教えながら、コツや持つ位置、力加減など細かいところもアドバイスする。
「……できたっ!」
クルリと、落ちることなくペンが回転した。喜びに師匠を見れば、師匠も頷きながら喜んでくれた。
「…で。お前なんでいきなりペン回し始めたの?」
腕を組んで疑問をぶつける師匠。
ペンを置き俯くモブ。あれ、聞いちゃ不味かったか?と内心ちょっと焦る師匠。
そんな師匠の前で、みるみる顔を赤くしていくモブ。俯き加減のまま、か細く
「師匠の、ペン回しが……格好いい気がして。」
と恥ずかしそうに答えるモブに、今度は腕を組んだまま師匠が赤面していった。





・帰宅後、律に覚えたてのペン回しを披露するモブ居たらかわいい。凄いねって言いつつ実はペン回し出来る律とかな…。モブより上手く出来るし難しい回し方とか出来ちゃうけど言わない律とかな…。キャッキャしてるモブを微笑ましく見守る律とかな…:(/ω\*):

ちなみに今日はペンの日でした。


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モブサイコ100




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