紅茶一杯。



硝子の靴とモブ
2017年1月5日 16:28

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※本日の記念日ネタ
※履かせたいだけの話



「と、いうわけで。これが件の『シンデレラの硝子の靴』だ。」
相談所のテーブルに出された硝子で出来た靴は、ファッションショーの主催から持ち込まれた依頼品だった。
なんでも履くと靴が血まみれになり、怪我はないが血糊が足にべったりつきなかなか取れず、夜は破損音やすすり泣きを響かせて周囲を怯えさせているらしい。
これもう確実に悪霊憑いてますね。な案件なので、師匠も速やかにモブを呼び出した。
「どんなのが憑いてるかわかるか?答え合わせしてやる。」
余裕の表情で腕を組む師匠をチラリと見やり、モブは硝子の靴を見つめた。
が、怨霊も悪霊も浮遊霊もいない。なにもないただの硝子の靴にしか見えなかった。
小首を傾げ、モブは師匠を見た。師匠は依然余裕…を通り越しニヤニヤしている。
なにが可笑しいんだろうか、とモブは怪訝になるも
「師匠。この靴、なにも憑いてませんよ。」
と告げる。師匠は待ってました!とばかりに腕を組んだまま胸を張る。
「正解だ!実はな、その靴は既に俺が除霊したんだ。だから綺麗さっぱり何もいない。だが最終確認を怠ってはいけない。仕事だからな。」
手を抜くと事故に繋がるからな、と念押ししてから
「だからモブ。その硝子の靴を履いて確認してくれ。」
と真面目な顔つきになった。
「えっ。」
困惑するモブの肩に両手を置く師匠。
「今言っただろう?依頼に手抜きはNGだ。俺が確認しても良かったんだが、あいにくサイズが合わん。お前ならギリギリ入るだろ。」
別にドレス着て履く訳じゃないんだ。俺ら以外に見てる奴もいない。エクボも不在だ。サッと履いてサッと脱げばいい。
とモブを説得する師匠。
「え… いやです。」「いやだ。」「だって、こんなの…」とモブなりに必死の抵抗をするも、師匠に説き伏せられ最終的に履くことになってしまったモブ。
「ほら、サッと履いてサッと脱げばいいんだから。」
急かしてくる師匠をちょっと睨みつつ、モブは汗の滲む顔でソファーに座って裸足の足先を硝子の靴に入れようとしていた。
どうしても抵抗感があり、動きが遅くなる。そろそろと足先が硝子の靴に入ると、謎の喪失感があった。
学生服に硝子の靴は似合わない。
そんな知りたくもない情報をモブは今夜寝るまでに忘れようと決めた。







師匠が除霊したことになってますが実はエクボが食ってくれました。恐ろしく不味かったので胸焼け起こして外出してました。
依頼人に返す前に師匠が思いつきでモブにやらかしただけです。
なので後でエクボからバレてキレたモブにめちゃくちゃされる(かもしれない)。


……キレたモブに硝子の靴のヒール部分でグリグリされるのも、それはそれでアダルティでいいですね…/////

「どうですか、気持ちいいですか霊幻師匠。」(グリグリ)
「イテェだけだよ!!悪かったッ!謝るからコレ退けろ!」

みたいな。どこにヒールが当たってるかはお任せで。


コメント:0
モブサイコ100




前n 次n 戻る 上へ


-エムブロ-