紅茶一杯。



猫の日とモブ
2017年2月22日 14:58

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※本日の記念日ネタ


モブがいつものように事務所に着くと、師匠のデスクには見知らぬ薄茶色の猫が香箱座りでくつろいでいた。
ドアノブを握ったまま茫然と佇むモブ。
野良猫が事務所に入ってきた事は今まで無かった。窓を見れば閉まっているし、そもそもこんなデカイ成猫が登れる気がしない。
とりあえずドアを閉め、デスクの猫をチラチラ見ながら他の進入経路を探すと共に師匠を探した。
「師匠。」
そんなに広い事務所でもないので捜索はすぐ終わる。師匠はどこにも居なかった。
外に知らせの看板は無かったし、鍵も掛かっていなかった。
師匠が戸締まりもせずに外出するなんて…とモブに不安がよぎる。
いつもの自分の定位置である受付に座り、携帯を取り出す。
師匠にかけようと操作すると、ニャアの鳴き声と共に携帯を持つ腕に猫がすり寄ってきた。いつの間にか受付の机に猫が乗っていた。
「えっ…」
驚き、猫を見ると猫も見つめ返してくる。そして再びモブの腕に頭を擦り付け甘えてくる。
(かわいい…)
猫が腕に甘えてくるので電話が出来ないが、モブの関心はすっかり猫に移ってしまった。
一通り薄茶色の猫を撫でまくり満足したモブは、膝に乗ってきた猫の背に手を置きながら師匠のことを思い出した。
「……もう10分経ってた。師匠どこに行ったんだろう。」
モブの呟きに、膝で香箱座りをしていた猫が返事をするように鳴いた。
「よしよし。」
ふわふわの毛並みを撫であやすモブ。
「今日は外出するって言ってなかった気がするんだけど……師匠帰ってくるのかな。」
と不安をこぼすモブにニャアと鳴く猫。
「よしよし。」
撫でるのを催促されたのだと判断したモブは猫が鳴く度に背中を撫でる。
「どこから来たの?」
とか
「迷子なの?」
とかにはスルーするのに
「師匠いつ来るかな。」
にはニャアと鳴く猫。
(なんで鳴くときと鳴かないときがあるんだろう。)
不思議に思いつつ猫を撫で倒すモブ。
「そうだ。牛乳飲む?」
確かあったはずだと猫を抱える。
「師匠が買ったのが…」
『師匠』でニャアと鳴く猫。抱いてる猫を見るモブ。
「…………師匠。」
ニャア。
「…嘘でしょ? 師匠?」
ニャア。
漸く気付いたモブに衝撃が走る。
「師匠!?」
ニャア。
「なんで!?」
師匠(?)を両手で持つモブ。前足の下を支えられてるせいで前足がピンと突っ張ってる師匠(?)。
のび〜っと体が長くなる師匠(?)。
「師匠いつの間に猫になったんですか!?」
慌てて師匠(?)を抱きなおし、腕の中に収めるモブ。
しかし師匠(?)は答えてくれない。モブと数秒見つめ合ったあと顔を腕の隙間に突っ込もうとするだけだった。
「そんな……霊幻師匠ッ!」
身も心もすっかり猫になってしまったらしい師匠(?)を抱きしめ悲しむモブ。
「僕が…絶対に師匠を戻してみせます!だから師匠、待っててください!」
と泣き出すモブ。師匠(?)はゴロゴロのどを鳴らしていた。


「……なんかモブが猫を師匠って呼んでるんだが……いったい何があった?」
事務所の出入り口ドアからそっと様子を見てる師匠とエクボ。
「お前があの猫になっちまったと勘違いしてるみたいだな…」
「なんでそうなった。」
「知るかよ。シゲオに頼まれてお前のお守りさせられてたんだから俺様が解るわけねぇだろ。」
と、二人揃って困惑しながらモブを眺めていた。
師匠の手には焼きたてのたこ焼きが入った袋が提げられていた。






・猫は普通に野良猫でドア開けられる強者。師匠はもうすぐモブ来るし外で待たせるのもなと鍵閉めなかった。
すぐ行って帰れば大丈夫だろとたこ焼き買いに行ったら珍しく混んでた。


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モブサイコ100




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