紅茶一杯。



巫女とモブ
2017年3月5日 13:57

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※本日の記念日ネタ
※女装注意
※巻き込まれるエクボ


「モブ、これは仕事なんだ。だから仕方ない事なんだぞ。」
と、巫女衣装を手に持ち茂夫に迫る霊幻。
「嫌です。絶対に嫌だ…!」
女子校の時は流されて着てしまったが、今回こそは断固拒否の姿勢を崩さない茂夫。霊幻から距離を取り、冷や汗を浮かべ身構えている。
「依頼人に会う時間が迫ってるんだ、早く着替えろ。」
「なぜ着て行く必要があるんですか。向こうで着替えてもいいじゃないですか。そもそもなんで、」
巫女衣装を着なくてはいけないのか。
「だから言っただろ、依頼人の神社の巫女さんが霊障に悩まされてるんだって。俺達はその囮として紛れ込む為に必要なんだよ。」
狙われるのが巫女なのだから、仕方がない。一般の巫女を巻き込むのは可哀想だ。それは茂夫にだって解る。しかし。
「絶対にバレますよ。普通に除霊すればいいじゃないですか。」
「巫女じゃねーと現れないんだよ。大丈夫だ前回だってお前は突破できただろ。」
やっぱり。と茂夫は警戒を強める。現在既に霊幻は巫女衣装を着て、ほらお前一人に恥かかせないからと懐柔しようとしているが、自分はまたちゃっかり外れる気なのだ。
それを感じ取っているからこそ、また一人でこんな格好させられてたまるかと抵抗している。二人なら良い訳でもないが。
「向こうで着替えたら変装だって敵にバレるだろう。そうしたら出るもんも出て来ない!!だから今変装して行くんだよ!」
と、もっともらしい事を言われ揺れ動く茂夫。その茂夫に勝機を見いだし畳み掛ける。
「モブ!お前はプロ意識が足りないぞ!!一般人を囮にして怪我させたらどうするんだ!?」
と言われ、茂夫が苦悶に唸る。苦渋の決断とばかりに茂夫は震える唇を開いた。



「なんで俺様が女装しなきゃならねぇんだよ。」
死んだ目で気力のない声のエクボ。姿は巫女衣装を着た茂夫である。
「モブが嫌がったんだから仕方ないだろう。」
「お前はなんでそんなノリノリなんだよ。」
頬に赤い丸のついた茂夫(エクボ)が、隣で同じく巫女衣装の霊幻にドン引きしている。
「仕事だからな。」
割り切りすぎだろ、仕事選べよ。と言うと、コレが良いから仕方がない。と指でお金サインを出されては、それ以上苦言も出来なくなる。
「もう辞めちまえよ。」
「そうもいかん。色々あんだよ。」
その色々は茂夫も関係している、のを察してしまったエクボは溜め息をつき観念することにした。
「さっさと悪霊喰って帰るぞ。」
「おお、頼もしいじゃねーかエクボ。」
「お前の為じゃねぇからな。シゲオのやつ、まだ宿題終わってねぇんだよ。」
とボヤけば霊幻は笑った。


囮捜査開始から数十分後。辺りがひんやりとしてきた。
「…来てるぞ霊幻。」
コソコソとエクボが耳打ちする。
「そうか。」
冷静に巫女の作業を進める霊幻。
平日な上、幽霊騒ぎもあり寂れてしまった神社なので参拝客も居ない。やる事も特にないので無駄に受け付けの掃除や御守りの補充などして暇をつぶしていた。
「ん?」
棚の戸を閉めた霊幻がぴたりと静止する。
「どうした霊幻。」
崩した座り方をしていた茂夫(エクボ)が気付く。
「……今お前、俺に何もしてないよな?」
「は?」
「ケツ触ってないよな?」
「触るかよ。ふざけてんのかテメェ。」
失礼な奴だなと怒るエクボ。
「てことは、ついに接触してきたな。」
霊幻の言葉に茂夫(エクボ)は辺りを警戒する。と、モヤモヤした濃い霧が霊幻の近くで人型に集まっていた。
「れっ…!」
霊幻、と呼ぼうとした茂夫(エクボ)と同時に、霊幻は後ろから人型の靄に胸を掴まれる形で羽交い締めされた。
「うぉわっ!?気持ちわりぃ!!」
ぞわりと霊幻に鳥肌が立つ。
「離れろバカ!」
と手を伸ばす茂夫(エクボ)。捕らわれているので自分から離れるのは無理だと知っているが、とっさで焦ってしまった。
茂夫の力を借りてエクボは悪霊を手で払い退ける。悪霊が離れた瞬間に霊幻は素早く茂夫(エクボ)の背後に逃げた。
「うわああ気持ち悪ぃ!!すんげー冷てぇ!こりゃセクハラされてた巫女に同情するわ!!」
触られた場所の穢れを落とすように自らの手でさする。
「うるせぇ黙ってろ!!」
茂夫(エクボ)は間合いを取り、人型の靄と対峙する。茂夫(エクボ)が睨んでいると、人型の靄はプルプル震えだし、次第に発狂した。
「貴様ァァァァァァァァ男じゃないかぁぁぁあぁあぁあ!!!」
悪霊は絶叫し、しきりに女を触りたい、清めないとと騒いでいた。
「失礼な奴だな。まぁ気持ちは解るが。」
と調子を取り戻した霊幻が腰に手を当て不満を述べる。
「こんの変態ヤロォォォォォ!!女の子を触らせろぉぉぉぉぉ!!」
と襲いかかってくるのを、茂夫(エクボ)は超能力を纏った手を使って悪霊の体を真っ二つにした。悲痛な悲鳴を上げ苦しむ悪霊に
「うるせぇな、この変態野郎。」
と両手でバチンと挟み潰した。



「大丈夫か霊幻。」
茂夫(エクボ)に声をかけられ意外そうな顔をする霊幻。
「なんだよその顔は。」
「いや、お前でも労りの心があるんだなと思ってな。」
茂夫(エクボ)は舌打ちし、そっぽを向く。
「ありがとうなエクボ。」
「……さっさと帰るぞ。」
「おう。 …ところで、さっきのお前せっかく格好良かったのに巫女衣装で台無しだな。」
と笑う霊幻の膝裏に軽くローキックを入れるエクボ。





・モブに憑依してるエクボ好きすぎる。ほんと好き。
最初は珊瑚をネタにしようと思ってて珊瑚について調べたのに結局こっちにしちゃった……。
ちなみに珊瑚のネタは師匠が珊瑚の説明してモブが頭の中で自分を珊瑚として師匠の説明まとめてるっていうネタ予定してた。


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