紅茶一杯。



物申しに来た律
2017年3月7日 11:55

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※師匠とモブ付き合ってる設定



「兄さんと付き合ってるって本当ですか。」
相談所に来るなりデスクにいる霊幻の前まで足早に進み、腕を組んで見下ろしてくる律。
「あー…うん、付き合ってるよ。」
こくりと頷く霊幻。あっさり認めると思わなかった律は肩すかしをくらう。しかしすぐに自分を立て直し
「そうですか、通報の覚悟があったんですね安心しました。それじゃあ。」
と携帯を取り出す。
「待て待て待て早まるな。」
と律の腕を掴んで止める霊幻。軽蔑の眼差しを向ける律。
「付き合ってはいるが、プラトニックな関係だから。というかモブが飽きたら終わるから。」
霊幻の言葉に今度は驚く律。
「え。どういう意味ですか? まさか、兄さんを弄んで…」
「違う違う。あのな律君、ちょっと……ちゃんと話をしよう。」
と霊幻は椅子から立ち上がった。


応接ソファーに移る。テーブルには二人分の紅茶。各々ミルクや砂糖で好みに調節する。なんとなく無言になる瞬間だ。
「確かにモブに告白されたよ。そして俺は受け入れた。でもな、ありゃ恋と尊敬がごっちゃになってるだけだ。」
「恋心じゃないって言うんですか?」
「違うな。それが分かったからこそ、俺は受け入れたんだ。だから付き合うといったって、今までと特別なにも変わってないぞ。」
「そんな…でも、兄さん凄く嬉しそうだったし…」
「早く勘違いに気付くと良いな。」
腕を組んで頷く霊幻。
「そんな、だって兄さんは昨日すごく嬉しそうに、ラーメンを一緒に食べたって……」
「今までも一緒に食ってたよ。」
「………たこ焼きを二人で食べたって…」
「今まで何度も半分こしてたぞ。」
律がダラダラと冷や汗をかく。
「あんなに幸せそうな兄さんが勘違いしてるだけだなんて……」
「思春期にはたまに通る道だ。」
「……本当に、勘違いなんでしょうか。」
ギラリと律の目つきが鋭くなる。
「根拠はなんですか。」
と問われ、霊幻は少し頭を傾げ、視線を逸らす。
「まず、あいつにそんな性癖はない。元々幼なじみに恋してたんだしな。そして俺を尊敬してる……律君今なんで舌打ちしたの?」
「続けてください。」
「えー…っと。ああ、そうだ。あいつ付き合って何したいか訊いた時に『そばに居られたらそれで良いです』って言ったんだよ。」
恋愛じゃないだろ?と霊幻に言われ思案する律。
「…ちなみに霊幻さんは恋愛って、どんな事をすると思いますか。」
「そりゃデートしたり。」
「この間の泊まりがけの出張依頼は温泉宿で楽しかったって兄さんが言ってました。」
「一緒の時間を過ごしたり……」
「バイトの日の兄さんはご機嫌ですよ。」
「…き、キスとか…」
これは外れるだろうとあえて出す霊幻。
「霊幻さんは恋愛に肉欲は必要ですか?」
「いや、必ずしも必要とは思わんな。」
「……成立してるじゃないですか。」
「いやっ!?イヤイヤイヤそんな馬鹿なことあるか、あいつは恋愛と尊敬を勘違いしてるんだよ!!だってそうだろ相手誰だと思ってんだよ!俺だぞ!?」
「兄さんが道を踏み外すとしたら原因はアナタでしょうね。」
サラリと言われ、滝汗をかく霊幻。そんな馬鹿な…と酷く動揺している。
「……兄さんを泣かせたらただじゃおきませんし、兄さんを傷付けたら直接制裁に来ますので、せいぜい夜道に気をつけてください。」
と席を立つ律。
「ま、待ってくれ律。そんな、まさか……嘘だろう?」
今まで見た事のない赤面する霊幻に驚く律。こんなに動揺して赤面する霊幻を初めてみたせいか、律にまで恥ずかしさが移ってしまう。
「な、なに情けない顔してるんですか!」
「お前こそ真っ赤じゃねーか!」
「霊幻さんのせいでしょう!」
なんでだよ!と理不尽に対して突っ込む霊幻は間違ってないが、律だってなんで自分まで赤面したか解らない。でも霊幻が原因なのは確実だ。
「だって、だってモブのやつ、ソファーに座ってる時に寄り添ってきてさ、目を閉じてるだけで満足するんだぞ!?」
「止めてくださいノロケなんか聞きたくない!!」
と赤面しながら律を羽交い締めしてノロケる霊幻と、赤面しながら羽交い締めから逃れようともがきつつ耳を塞ぐ律のカオスな空間となった。




・弟の日に間に合わなかったゆ。
しかも見切り発車だった。モブが師匠に寄り添って座って幸せそうに目を閉じてる妄想1コマに肉付けしたらこんなオチに。


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