紅茶一杯。



サウナに入る師匠と影山兄弟
2017年3月7日 17:22

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※本日の記念日
※手足はえるエクボ



「サウナあるぞホラ。」
と指差す霊幻。あまり乗り気じゃない影山兄弟。
森に出る悪霊の除霊帰りに、埃まみれの体を流しに寄った銭湯には、サウナが付いていた。
「じゃあ勝者にはアイス奢ってやる。」
と霊幻が言うと茂夫が食いついた。律は別にアイスなんて自分で買えばいいと思っているが、兄がやるなら自分も参加したい。
『勝者』ということは、サウナ耐久勝負ということだろう。と律は察したが、茂夫はノホホンと
「勝者ってどういう意味ですか?」
と参加表明したあとで言いだす。
「俺とモブと律君でサウナに入って、一番長く残った奴が勝者だ。あ、エクボはナシな。熱さなんか関係ないだろうから。」
そもそもやらねぇよ、と呆れるエクボ。
ドベが皆にアイス奢りな。と言うと茂夫は「え!?」と青ざめた。
「今さっき師匠が奢るって…」
「俺が負けたら奢るよ。」
「そんな……」
と絶望する茂夫の肩を慰めるように叩く霊幻。
「なぁに、勝てばいいんだよ。勝てば。」
と悪い笑顔で言われ、緊張に震えるモブ。
「いッてぇ!」
ギュッと茂夫の肩に置かれている霊幻の手の甲をつねる律。
「頑張ろう兄さん。」
と抓ったまま茂夫に笑顔を向ける律。緊張しながらも頷く茂夫。律の手首を掴み、離そうともがく霊幻。


「よし、じゃあスタートな。」
キリッと仕切り直したが目がまだ少し潤っている。抓られた手の甲にはくっきり痕が残っていた。
「ズルなしだからな、モブ。」
と釘を刺す霊幻。頷く茂夫。
「霊幻さんこそズルは無しですよ。」
と疑いの目で見てくる律。する訳ないだろう!と男前な顔を作って返す霊幻。ふざけた態度に舌打ちする律。
エクボは足と手を生やして水風呂の端でノンビリ浸かっていた。体感はなくとも気分だけは楽しめるらしい。


「……ふぅ…」
茂夫の汗が酷い。酷いというかヤバい。と気付く残り二人。
「兄さん、大丈夫?脱水症状とか起きてない?」
「大丈夫だよ…律……」
目が虚ろだ。
「大丈夫じゃないだろ、無理すんなモブ。」
「いえ…大丈夫です……肉改部で………鍛えてるので………………最近、持久力も」
バタリと倒れるモブ。
「うわあああモブ!?しっかりしろ!!」
「兄さん!?兄さぁぁぁぁぁぁん!!?!」
と慌ててモブを二人で運び、水風呂に向かう。
「うわっ!?なんだお前らどうし」
ザッパァァァン!と、焦り過ぎたのか、三人まとめて入ってきてビビるエクボ。
二人はパニック状態でモブに必死に声をかけている。
「モブしっかりしろ!」
「兄さん大丈夫!?しっかりして! ちょっと霊幻さん何ひとん家の兄殴ってるんですか!!」
「ちげーよ!呼び起こすのに頬軽く叩いてるだけだろが!」
「ああ!兄さんが鼻血を!?なんてことしてくれてるんだアンタ!!」
青ざめる律。
「えっ!?嘘だろモブまじでヤバくないか、おいモブ!しっかりしろ!!」
同じく青ざめる霊幻。
「兄さんから離れろ!!」
と霊幻に掴みかかる律。わあわあ騒いだせいで番頭が駆けつけて来て、えらく叱られた。


「兄さん大丈夫?」
「うん…」
鼻血はのぼせたせいで、モブは脱衣場のソファーで仰向けに寝て、タオルを額に乗せ、鼻にはティッシュが詰められていた。
傍らにはペットボトルがあり半分減っていた。
番頭と話の終わった霊幻が戻ってくる。
「モブ、大丈夫か?悪かったな、無理やり付き合わせちまって。」
いつになくしょんぼりしている霊幻の声に茂夫が驚いて体を起こす。
「兄さん!」
慌てて律が支えるが、茂夫は落ち着かない様子で
「大丈夫です。僕も無理したのがいけなかったんで。さっさと降参すれば良かった。」
迷惑かけちゃった、としょげる茂夫。
「いや霊幻が悪いだろ。はしゃぎ過ぎなんだよお前。」
と霊幻に小言を言うエクボ。霊幻も反省していた。
モブと遊ぶのが楽しくて、つい色々と誘ってしまう。今回もサウナで我慢比べしながら盛り上がりたかっただけだった。
「本当に悪かった。」
と頭を下げる霊幻。
「僕も…」
「ん?」
「僕も、師匠と何かするのが楽しくてやってるので。師匠がやや強引に引っ張ってくれたおかげで、楽しい事や綺麗な物が見れたりしますし。」
「モブ…」
「師匠と遊ぶの楽しいです。」
モブ…!と感動している霊幻を、律とエクボは呆れた眼差しで見ていた。


「あ、アイス当たりだ。」
「律すごい。」
「さすが律っちゃん。持ってるねぇ〜!」
「引き換えに戻るの面倒くさいな。もうだいぶ離れちゃったぞ。」
「そうですね。じゃあ霊幻さんにあげます。」
「なんでだよ。」
「ご利益あるかも知れませんよ。」
「なるほど、男子中学生の唾液付きのご利益あるアイスの当たり棒か………高値で売れそうだな。」
と律に押し付けられたアイス棒を眺め、ビジネスの匂いを嗅ぎ付ける霊幻。
「今すぐ返してください。」
真顔の霊幻に真顔で返却を求める律。





・アイスは結局師匠が奢りました。というか元から奢るつもりだった(バイトの慰労に)。ドベ奢りはモブにやる気出させる為でした。
あ、汚れた服を銭湯内のコインランドリーで洗ったっていうご都合主義を入れ忘れました。


コメント:0
モブサイコ100




前n 次n 戻る 上へ


-エムブロ-