紅茶一杯。



おまけストラップとモブ2
2017年4月1日 18:00

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※本日の記念日
これのその後
※師弟付き合ってます注意




茂夫は霊幻の部屋で、テーブルの上にある鍵を見つめていた。そこにはいつかの目つきの悪い黒猫ストラップがくっついている。
以前この黒猫(ペットボトルのオマケ)が茂夫に似ていると言われた。だから(鍵に)付けるとも。
あの時に感じた気持ちは、こういう事だったのだ、と茂夫は黒猫を指先でつつきながら気付く。
(あの時から、好きだったのかな…)
ドキドキして嬉しかったのは確かだ。ならばそれは『好き』って事だろう。茂夫は黒猫をつまみ上げた。
角度を変え、しげしげ見ていると風呂から上がった霊幻が来た。
「なにしてんだモブ。」
キョトンとしている霊幻に、ビクッと肩を揺らし姿勢を正す茂夫。カシャンと放り出された鍵がテーブルに跳ねた。
茂夫の側にくると、茂夫から鍵に視線を移す。
「欲しいのか?」
硬直している茂夫が小さな声で
「いえ…」
と返す。
「欲しけりゃやるよ。」
と側から気配が離れ、茂夫は目を見開き慌てて霊幻を見る。
あれは茂夫に似ている黒猫だ。似ているから大事そうに家鍵に付けたのに。それを簡単にくれるだなんて。
茂夫は焦った。霊幻は引き出しを漁っている。
「師匠!」
立ち上がりかけた茂夫に
「あったあった。ほら、やるよ。」
と振り向きざまに鍵を放り投げてきた。
「えっ。」
立ち上がる途中な為、両手をそれぞれ着いていたので見事に顔面衝突する鍵。
「うわっ なにやってんだ!」
と驚愕し、駆け寄る霊幻。茂夫はフリーズしたままとっさに目を瞑ることしか出来なかった。
テンパっていたので超能力を使う余裕がなかった。
ヒリヒリする鼻をさすりながら、ホッとする。そっちで良かったと茂夫はじわりと滲んだ涙目で思う。
霊幻は謝りながら茂夫を介抱し、改めて鍵のスペアを渡した。
「そういやさっきすげー切なげな声で呼んでたけど、なんだったんだ?」
と不思議そうな霊幻に、恥ずかしい茂夫は誤魔化そうと
「あ…足が吊りそうになって。」
と苦しい言い訳をした。
「えっ大丈夫か?てかお前、足吊りそうになって「師匠!」はないだろ。」
いや俺に助けを求めたのかもしれんが、俺にだって限界はあるぞ?と言われ益々恥ずかしくなる茂夫。
更に心配した霊幻に吊った時は足の指を…とレクチャーまでされてしまう。
そして霊幻にマッサージもして貰い、恥ずかしくも嬉しい茂夫。
「鍵ありがとうございます。せっかくだから前に貰ったストラップ付けます。」
嬉しそうな茂夫に、なんだっけ?な霊幻。
「その黒猫ストラップと一緒のやつですよ。」
「ああ、あの時の…」


「フェネックの。」
「オジロスナギツネの。」


同時に発し、いやフェネックだろと主張する霊幻に、ラインナップに書いてありましたよと言う茂夫。
霊幻の顔がみるみる曇っていく様をノーカットで見た茂夫。
「いや、でもっ かわいいですよ。」
焦る茂夫に、「そうだな…」と元気なく返す霊幻。
「師匠に似てますし!」
「止めてくれ、止めてくれモブ…!その攻撃は俺に効くッ!」
と拗ねてベッドに籠もってしまったので、茂夫はその塊を抱きしめながら必死に慰めた。





・今日ストラップの日って事でネタ考えてたら以前もストラップネタやったなーと思い出して最終的にその後になりました。
でもざっくりしか読み返してないので設定破綻してたらすみません。
オジロスナギツネかわいいよオジロスナギツネ。


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