生きることもこわい
死ぬこともこわい

死がくるから
生きることがこわい

死というものでなく
消失を望む僕は
それらが怖くて仕方がない


僕は僕自身を
どこか遠くでみているようだ
本の登場人物のような
そんな感覚
主人公視点の本

だから僕は【ぼく】という登場人物に
同調し共感し眺めている
精密につくられた
人生という本の中に生きる登場人物

けれど、【ぼく】が僕自身であり
それは本ではないと
登場人物での出来事ではなく
読者である僕の出来事であると気付く時
生きることも
死ぬことも怖くなる

人の死をみてもなお
どこか別次元のもののように見ていて


それらが僕に降り掛かった時
僕はどうなるのだろうか


抗うか
恐怖するか
流るるか

しあわせだったと
十分だといえるのか


今の僕はぼくが終わることを恐れている

だから、無意識にあらがおうとする
けれど世界は無常で

確実に
僕の周りの人々を変え
僕を変えていく


祖母もほそく縮みはじめ
祖父は耳がとおくなった


時が蝕んでいくことを実感するたび
目玉の奥のほうが疼き
胸ね奥のほうが凍る


そうやっていくうちに
人はそれに慣れ麻痺し
この世の摂理を自然と身につけていくのだろう



僕もそうなるのだろうか



死をみるたび

僕はぼくが変わり僕になるのだろうか