「バレンタイン、やる?」
「は?やんの?」
「え、あげないの?」
話してるのは順に阿部・泉・栄口。意外と仲の良い3人組で、周りから見れば一体何の共通点があるのかと思われがちだが、いろいろと共通点あるらしく彼らが異様に仲が良いのは否定できない。
いつもならそれぞれのクラスで、もしくは恋人と過ごす昼休みに定期的に開かれる彼ら3人の会議。会議というほど中身の詰まった会話はしていないがたまには相談しあったりなんかもある。
「やっぱやらねーよな?」
「や、俺多分貰えるけど」
「いやだから、え、俺だけ?」
本日の議題、バレンタインに恋人にチョコをあげるか否か。
「やんねーだろ。買うん恥ずかしくね?」
「つーかお前貰えるって何」
「ガトーショコラリクエストしといたから」
「泉んとこって意外と仲良いよね」
阿部の問いかけにさらっと答えた泉に栄口が口を挟んだ。
うっせーよと泉が言い返すが言葉に棘がない。このメンバーでつるんでいる間は3人ともがほんの少しずつ丸くなるということを知っているのはお互いだけで、その恋人たちは知る由もない。
「つーかガトーショコラって…」
「んだよ」
「いや別に」
泉って傲慢なんだか甘えてるだけなんだか判んないよなと阿部と栄口は心のなかでこっそり思った。
「リクエストってさ、浜田さんが作ってくれんの?」
「ああ、あいつそういうの得意だし」
「やっぱ手作りのほうが嬉しいかな…」
「水谷?」
「うん」
話を切り出したのは阿部なのに、気が付いたら話しているのは栄口になっている。
「栄口チョコとか作れんの?」
「微妙…」
微妙ってなんなんだよと今度は残り2人が栄口に心の中で突っ込む。
「あ、じゃあ阿部一緒に作る?」
「はあ!?」
栄口にすごい剣幕で言い返したのは阿部で、泉は「阿部が手作りとか柄じゃねー!」と腹を抱えて爆笑している。
「手作りは栄口とか可愛い奴がやるから許されんだよ」
「浜田さんは?」
「プロ級は別格だろ」
「のろけんな」
確かに浜田の菓子作りはもはやプロレベルと言ってもよく、レシピさえあれば大体のものは作れるらしい。
手作りチョコの件が一旦終わったと思えば、また別の会話がスタートされる。余所から見ていると話の内容はともかくまるで女子の会話かと言いたくなるようなテンポらしい。
「最初阿部の話だったじゃん」
「そうだよ、阿部があげるかどうか」
一周まわって話の中心はまた阿部へと戻ってきた。
「やっぱやらなくていいと思う?」
「要は気持ちの問題じゃないの?」
「なんなんだよそれ」
もっと具体的な答えを頼むと言おうとした矢先、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
3人はそれぞれのクラスに戻るため立ち上がる。
「ま、考えるわ」
「俺は気が楽だぜ」
「まあ人それぞれだしね」
―――――
1日遅刻ですがバレンタインネタ。
この3人の話をずっと書きたかった!
阿部と泉ちゃんと栄口が仲良しだったら萌える…という妄想。受け組可愛いよ…!受け同士がいちゃいちゃしてるのを考えるのは楽しいです。
気持ち的には恋愛要素はないけど
阿→栄←泉(笑)
阿部と泉ちゃんは栄口可愛い大事同盟を組んでるので水谷涙目!
これからもちょくちょく書けたらいいなと思います。
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