元四天王「や、やっと洞窟の外に出てこれた……」
元四天王「まさか、洞窟から出るときに作動する罠まであるとは思わなかったが……」
元四天王「もう限界だ……立っていられない」ばたっ
ドラゴン「ええと、例の洞窟はこのあたりのはずだけど……あ、いたいた。おーい!!」
元四天王「ど、どらごんか……」
ドラゴン「うわっ!?な、なんて酷い怪我だ!!もしかして勇者にやられたのですか……?」
元四天王「ああ。情けない話だが、勇者に指一本触れられずこの様だ。奴は恐ろしく狡猾な人間だ」
ドラゴン「あ、あなた程の方が一方的にやられるなんて……なんと恐ろしい。あわわわわわ」ガタガタ
僧侶「ええと、このあたりに洞窟があるはずなんだけど……」
勇者「お、あそこにあるのがそうじゃないか?……ってあの時のドラゴンがいるっ!?」
ドラゴン「わわっ、ゆっ、勇者!?」
僧侶「な、なんでこんなところにドラゴンがっ!?」
ドラゴン「ひえええ、バーニングデーモン様ですら歯が立たないのに、私なんかじゃとてもかなわん!に、逃げろおーーー!!」ぴゅー
勇者「に、逃げた……?」
僧侶「よくわからないけど、助かったみたいだね」
勇者「ん?誰か倒れてるな。どうやら魔物みたいだけど」
僧侶「うわっ酷い怪我だ。もしかしてさっきのドラゴンにやられたのかな……?」
元四天王「ううっ……、その腕につけている紋章、貴様が勇者か」
勇者「うん、そうだけど。サインいる?」
元四天王「やはりそうか……認めたくないが完敗だよ。私は何もできなかった。あとサインはいらん」
僧侶(何もできずに完敗って、やっぱりこの怪我はドラゴンにやられたのか)
勇者(随分おとなしいな。どうやら村のゾンビたち同様、無害な魔物のようだ)
盗賊「あ、勇者さんたちと魔物さん見ーつけた!!ってわわっ、魔物さん酷い怪我じゃないですかっ!!」
元四天王「あ、あなたは昨日の!!どうしてここにっ……?」
盗賊「魔物さんのことが気になって、追いかけてきたんです!!」
元四天王「そうですか、ありがとう……。だが、あなたにだけはこの無様な姿を見られたくなかった……」
勇者「ん?二人は知り合いなの?」
盗賊「ええ。先日、私が勇者さんたちに命を助けられた後にちょっとありまして」
元四天王「い、命を助けられた……!?」(私は想い人の命の恩人を殺そうとしていたのか!!)
僧侶「へえ。それは結構な偶然だね」
元四天王(危うく自分の出世のために、盗賊さんを悲しませるところだった。私はなんという愚かな行為を……!!)
僧侶「しかし、盗賊の知り合いがどうして(ドラゴンと)戦いなんて無謀なことを……」
元四天王「返す言葉もない。出世目当てで(想い人の恩人に)戦いを挑むなんて、私はなんて馬鹿だったんだ。さあ、もういいだろう!とどめをさしてくれっ!!」
盗賊「と、とどめっ!?何を言ってるんです!?」
元四天王「盗賊さん止めないでください!!これは私なりのけじめなんです!!さあ勇者よ、一思いに殺してくれ!!」
勇者「ええっ!?やだよ、殺す理由なんてないじゃないか」
元四天王「な、何を言ってるんだ!!私は魔族だ!!貴様らの敵なんだぞ!!」
勇者「いや、そっちこそ何わけのわからないこと言ってるんだ。僧侶、彼に回復魔法かけてあげて」
僧侶「ほいよ。かいふくまほうー」ピコーン
元四天王「なっ!?私の傷を治していいのか!?」
勇者「え?いいに決まってるじゃん。盗賊の知り合いなんだし」
僧侶「せっかく助かった命なんだから、大事にしなよ」
元四天王(な、なんという器の大きな連中だ……!!)
僧侶「しかし、もう(ドラゴンのような)勝ち目のない相手に戦いを挑むなんて馬鹿なことはしないようにね」
元四天王「は、はい……!!もう二度とこんな(恩をアダで返すような)馬鹿な真似はしません!!」
盗賊「よくわからないけど、死ぬのを踏みとどまってくれたみたいでよかった……」
元四天王「盗賊さん、ありがとう……あなたのおかげで私は大事なことに気づくことができた」
盗賊「そ、そんな。私は何もしてないですよ」
元四天王「そんなことはありません!盗賊さん、私があなたと出会えたのはきっと運命だ!!よ、よろしければ私と、結婚を前提にお付き合いしてくれませんかっ?」
盗賊「えっ……?」
元四天王「だ、駄目ですか?」
盗賊「いえ!急に言われたからちょっと驚いただけで、勿論うれしいです!
元四天王「じゃ、じゃあ!?」
盗賊「は、はい。こちらこそ、よろしくお願いします!!」///
元四天王「や、やったあああああああ!!!」
勇者「おおー、なんかよくわからんけどおめでとう」
僧侶「うん。なんかよくわからないけど、とりあえず一件落着みたいだね」
盗賊「なんかよくわからないけど、勇者さんたちのおかげで恋人ができました!」
ゾンビ「騒がしいから馬車から出てきてみたら、なんかよくわからんことになってるな」
つづく