prof:bkm:
30代/二次元/メンタル/お洒落
最後のページに記されていた言葉
21:15 2015/7/4
話題:最近感動したこと

以前わたしが出納帳の訂正線書きを失敗した時に、使ってはいけない赤ペンで上から濃いめに修正という名の悪戯を足してくださった男の先輩が居ます。その先輩が木曜日の仕事中わたしの席にやって来て事務的な連絡をしてきました。ただ別に今じゃなくてもいい内容だったので少し不思議に思っていると「7日までなんですね」と言われました。「はい、7日までです」「寂しくなる」先輩はそれだけ告げて去っていきました。普段ほとんど真面目な事を言わない人なのでわたしは不意を突かれ、涙が滲むのを感じました。

そのまま利用者の方々の居室整理へ向かい、はじめて一人一人の部屋をじっくり見て回りました。戸棚の上の小物を片付けたり、引き出しの中を整頓していると、どこもかしこも利用者の方の空気に満ちていたんです。ああ、本当にこのアイドルやアニメの事が好きなんだなあとくすっと来た後には、へえ、この方ってこんな一面があったんだ……と新たな発見もあって。ふと、これからの人生においてわたしがこの部屋に入る事はもう無いのだろうと気付き、ここに来てようやく仕事を辞める実感がわいてきました。

自分が担当していたある女性利用者の方の部屋の床の上に正座をし、ひらがな練習帳を開きました。わたしは書道師範の資格を持っているので、いつも練習帳に赤ペンで花丸を描いて文字のお手本を付け足していました。そこでぱらぱらとページをめくると、いちばん新しいページにひらがなで「きれい ながそでのはうせんせい わたし おそとでれない もうあえません さようなら おしごとがんばってね」と書かれていたんです。たまらず涙が込み上げ、わたしは片手で口を塞ぎました。それでも嗚咽を隠す事ができませんでした。

7日に退社式があって、職員の方々からの花束贈呈と挨拶、利用者の方々とのお別れ会をするのですが、涙を我慢できるか自信がありません。4月からのほんの少しの間しか居なかったわたしが泣くと場が白けてしまう気がして……。せめて発達障害の事を打ち明ける事と、利用者の方が一日でも長く健やかに幸せに過ごせるよう後を頼む事だけは泣かずに伝えたいです。

拍手してくれた方々どうもありがとね。

こちらからもコメントできます



-エムブロ-