、の反対です。
顔色ひとつ変えずに、淡々と言われてしまって、私は信じられないこれは夢かと、目を見開くばかり。
「何ぼうっとしてるんですか」
バチンと頬にきた痛みに、ああ夢じゃなかったと思うのと同時に、意味を理解した。
叩かれた頬が熱を持つ。
顔全体に広がっていく、のぼせてしまいそうな熱がひどく胸を締め付けた。
好きの反対の、反対って。それは、えぇと、つまり。
「…私のこと、好きなの?」
「そう言ってるじゃないですか」
責任を取ってくださいと、相も変わらずに淡々と告げる彼の、そっぽ向いた耳が少しだけ赤かったことは、黙っておこう、と思う。




好きの反対、の反対
(卒業するまで待てませんでした)






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title by.確かに恋だった