!
ココのぞ
!ラブレター事件後
!ナツこまは夫婦(特に話とは関係ないです)
「できたぁっ!」
嬉々とした声で勢いよくソファから立ち上がったのぞみの手には、白い封筒が握られている。
「のぞみさん?何が出来たの?」
獣体のナッツを膝に乗せたまま、本を読んでいたこまちが問うと、のぞみはふふーっと実はですね、と封筒を見せてくれた。
「私もココに、ラブレターを書いてみたんです!」
確かに、宛名は『小々田先生へ』となっている。
他の生徒たちに見られても大丈夫なようにだろうかとこまちは考えて、のぞみさんは優しいわねと膝の上のナッツに笑った。
「でもココさん、のぞみさんからだったら直接言ってもらった方が嬉しいんじゃないかしら」
封筒をのぞみに返しながら、どちらかというと、のぞみにはわがままを求めている彼を思い出しながら言う。
「ふぇ?ちゃーんと口に出しても言いますよ?」
何かダメですか?
キョトンと首をかしげたのぞみは、こまちとナッツを交互に見やり眉を八の字にしてしまった。
その顔にいささか弱い2人(正確には、一人と一匹)は、そんなことはないと首を横に振る。
「それじゃあ、私ココに渡してきますね!」
満面の笑みを見せたのぞみが、軽やかに階下へ降りていくのを見送り、こまちはとても微笑ましい気持ちになった。
ココとのぞみ、2人が幸せで居てくれるのは自分にとっても嬉しいことだ。
「ふふ、きっとココさんびっくりしちゃうわね」
「ココは、のぞみにもっとわがまま言って欲しいって言うくせに、いざ言われると弱いナツ」
「そうね」
砂糖につけたように甘ったるいラブレターと、さらに一足しされたのぞみの告白に、顔を真っ赤にするココが容易に想像できて、こまちとナッツはしばらく笑い合っていたのだった。
砂糖づけのラブレター
(だいだいだいすき!)
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あのラブレター事件は本当にココのぞだった。
ココのぞというより、ナツこま+のぞですね、これ。
のぞみは、手紙もいいけど口に出して伝える方が似合ってると思います。