紅茶一杯。



はげモンがトラウマな師匠とモブ
2016年11月12日 21:41

話題:二次創作文

※モブサイコ100注意
※霊→モブ

「お前なんでそれ着て来ちゃったんだよ。なんでそれ選んじゃうんだよ。」
という師匠の言葉に
「え。師匠と遊びに行くって言ったら、律がこれ着て行きなよ。って。絶対喜ぶよって、言われたんですけど…」
しょんぼりとはげ散らかしモンキーのシャツを掴むモブに、ぐ、と色々と堪えてるのか片手で額を覆う。苦悩の表情だった。
律への恨み、モブへの同情と、愛おしさ。そうだ師匠はモブを責められない。大好きだから。間違いには厳しくするが、今日師匠と遊びに行くのを楽しみにしていたのを知っていたからこそ、これ以上のダメ出しができない。
「……途中で上着買ってやる。」
「えっ。なんでですか。」
驚くモブに、何も言えない。そうだった、コイツこれ気に入ってるんだっけ、と。師匠としては軽いトラウマだが(5000円がハゲた猿になるだなんて)、モブにとっては初めて律が関わっていないオシャレ服なのだ。花沢が関わってはいるが。そして花沢が原因の結果なのだが。
そこまで考えて師匠は……諦めることにした。

ス…、と悟りの表情になる師匠。アルカイックスマイルである。
(師匠が急に仏像みたいな顔になった…)
モブが師匠の様子に少々ビビる。アルカイックスマイルの意図が解らないからだ。
「し、師匠…」
「行くか。」
微笑を貼り付けた師匠におっかなびっくりしつつ
「は、はい…!」
と訊くことを止めた。よく分からないが笑っているのだから、機嫌は悪くはないのだろう。ならば大丈夫だ。とモブはホッとする。
さっきの師匠は困惑し疲れたような顔をしていた。自分は何か悪い事をしてしまったのかと思ったが、今師匠は笑っている。だからきっと大丈夫だ。
隣を歩く師匠をチラチラ盗み見ると、普段通りの顔付きになっていて今度こそ安心した。


師匠との1日がとても楽しかったモブ。度々師匠の視線をシャツに受けていたが、モブが気付くと師匠は曖昧に笑って流した。帰り道、夕陽で染まるなかモブは師匠に問う。
「師匠。もしかして、このシャツ好きなんですか?僕お店知ってるんで、今度」
場所教えますよ。と言う前に師匠から真面目な顔で
「いや大丈夫だ。」
とキッパリ言われた。被せてくる程に?と面食らうモブ。
しゅんとした様子に師匠が咳払いする。
「いや、ほら。俺はこれがあるし。」
と、ポケットから出したのは、以前モブがプレゼントした、はげ散らかしモンキーのハンカチ。
「使ってくれてるんですね。」
嬉しさに顔が綻ぶモブ。
「そりゃお前がくれたんだからな。」
広げなければ普通のハンカチだしな。は内心で思うのみにする師匠。
そして選んだのは律だけども。しかし師匠にとってはモブが自分のお金でプレゼントしてくれた事の方が大事だ。
律のちょっとしたイタズラぐらい、気にしない(ように頑張った)。貰った当時、若干トラウマが疼いた事には目を逸らす。
律はとても頭がいい。師匠がモブからのプレゼントを無下になど出来ないのを知っている。そしてはげ散らかしモンキーがトラウマなのも。
最愛の兄を取られた弟の、小さな仕返しだった。それを師匠が解っているのも。なのである意味、これは甘えとも取れる。歪んだ甘え方ではあるが。
そして、師匠がやられっぱなしでは無いことも、律は解っては、いる。



「ただいまー。」
「おかえり兄さん。今日楽しかった?」
「うん!すごく楽しかったよ!あ、律これお土産。」
モブから渡されたのは無難な食べ物と、プリクラ写真。
写真の中でモブと師匠が楽しそうに笑っている。モブの肩は抱かれていた。
「あ…りがとう。」
声が少し震えたかもしれない。なんとか平静を保つ。が、
「それ、携帯に貼ってね!」
というモブの爆弾発言に完全にメンタルが撃沈した。
断れない。断れる訳がないのだ。だって律は兄を敬愛しているのだから。
「ねぇ、それって…霊幻さんの提案でしょ…」
「そうだよ。さすが律だね!」
嬉しそうなモブの前で、律は心の中だけで師匠を罵倒した。




・兄と兄の師匠というほぼ自分に関係ない上に親密そうに写ってるプリクラをしかも携帯に貼るとか、イタ携帯よりイタいよねっていう仕返し。
今日は洋服の日でしたー。


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モブサイコ100




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