紅茶一杯。



園児な師匠とモブ
2016年11月16日 21:34

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※本日の記念日ネタ


「ああ。なんだ夢か。」
気付いてしまえば、どうという事はない。師匠は園児服を着た幼い自分の姿に納得した。しかしまだ疑問が残る。
「これは誰の夢だ?」
自分の夢かと思いきや、ちょっと様子が違う。
「これ俺のじゃねーな…」
この園児服を着たことがない。近所で見たとかでもない。知らないデザインだった。
「うーん……モブか?」
自分に関わる不思議な事はだいたいモブが関係する場合が多い。
勿論、仕事関係は別として。こういう、摩訶不思議な場合に限られる。
そこまで考えた師匠は、ふと、悩むポーズを解除した。
「まぁモブなら大丈夫だな。」
この夢が自分のものかモブのものか。ゲストで呼ばれたんかな、と気楽に思うことにした。
そして確信する。これはモブの夢だ。そこに師匠は招待されたのだ。
だって師匠の言葉に反応して、空が浮かれたピンク色に変わった。
『モブなら大丈夫』その言葉にモブは弱いようだ。

「しかし。なんで俺はこんな姿でこんな場所に居るんだろな。」
独り言のようで、モブに訊いている。お前なにがしたいの、と。
「師匠。」
呼ばれて振り返れば、今のモブがいた。
「なんでお前は中学生なんだよ。」
空気読めよ、と出かかった言葉は飲み込んだ。というより、サッと喉元で消えたのだ。言葉が。きっとモブがやったのだろう。それ程トラウマなのだ。
そして師匠はそれに感謝する。師匠はたまに迂闊な発言をしてモブを無駄に傷付けてしまう事がある。
反省はするのだが、ついまた余計な一言を言ってしまうのだ。モブに甘えがあるのかも知れない、無意識に。

「そんで、モブよ。わざわざ夢に呼び出してなんの用だ。相談なら明日事務所で聞くけど?」
腕を組んでモブを見上げる。幼児の姿の師匠には、今のモブは見上げる高さだ。
「いえ…その…」
言いにくそうに両手を腹の前でいじっている。
「どうしたんだよ。」
チラチラと師匠を見てはモジモジする。そんなに言いにくいのか。そんなにくだらない事で呼んだとか?
根気良く師匠が見守ると、モブはやっと師匠を見て、そして視線を逸らしながら
「師匠の、幼稚園時代が…知りたくて。」
と頬を赤くした。
「なんだと。」
散々待ってそれとかお前本気か?と腕組み仁王立ちの師匠。表情は険しい。
「いやっ あのっだって師匠、アルバムとか見せてくれた事ないし。」
「アルバム見せる流れになったこと無いからな。」
「師匠の、子供の時って…どんなのかなって…」
そんな理由で自分は幼児にされて弟子の夢にお邪魔させられてんのか。思わず溜め息が出る師匠。
「そういや、これどこの制服だ?」
やっぱりお前の?と聞けば、こくりと頷いた。
「僕が通っていた所のです。」
「てか、今知ったけどまんまお前のじゃねーか。」
と端っこをめくると『かげやま しげお』と内側に書いてあった。
何故かそれにモブが真っ赤になる。あうあうと狼狽えるのを見て
「あれ、もしかして想定外?」
と師匠が訊くと、モブは顔を真っ赤にしたまま頷いた。
「なんで…」
と嘆くモブに、逆に冷静になってくる師匠。
「お前の記憶から成り立ってるからだろうな。まぁいいや。モブよ、満足したか。」
ハッとしたように顔を上げて師匠を見るモブ。に、師匠は両手を広げて華麗にターンする。
一回転して自分の園児服姿をモブに見せ付けると
「どうだモブ。満足したか。」
と再び訊いた。満足したなら、もう帰りたい。ゆっくりしたい。今何時だ、あとどれだけ寝れるんだと師匠は困惑していた。明日も仕事なのに。
「あ、はい。それは満足しました。」
「それは?今それはって言ったか。」
はい、言いました。とモブは返し、師匠の手を握った。
「ここは僕の夢ですし。せっかく師匠が来てくれたので、やりたい事全部してもいいですよね。」
「いや俺そろそろ帰りた」
「夢なので、まだまだ時間はいっぱいあるはずです。多分。」
師匠の言葉を遮り、ギュッと師匠の手を掴む力が増す。
「僕、小さい頃の師匠と遊びたかったんです!遊びましょう、師匠!」
笑顔のモブ。困惑する師匠。
(それなら、やっぱり理不尽だろ。)
なんでお前は園児じゃないんだ、と。遊ぶなら歳を合わせてこいよ、せっかくなんだから。
と思いつつ、言葉にはせずに観念の溜め息だけついた。






・今日は幼稚園記念日でした。
中学生モブに園児師匠を抱っこしていただきたい…(´`*)
因みに園児師匠は中身大人ね。その方が師匠の羞恥心が増すから…(ゲス顔)


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モブサイコ100




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