紅茶一杯。



エロ漫画家と師匠
2017年2月25日 18:36

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※師匠以外知らん人
※無駄に長い注意




「って訳で、原稿が終わらないのも最近担当が冷たいのも、あとそうだ最近ちょーーーっとだけ髪が薄めになってきてるのも!これ絶対悪霊のせいだと思うんですよ!特に髪!!以前はもっとフッサフサだったんです、本当ですよ!?」
バンッとテーブルに手をつき身を乗り出す相談者。脂で髪がヘタっているように見える。
「ええそうですね、多分高確率で悪霊がいますね、そこ。分かりましたすぐにでもお祓いに行きましょう。」
若干死んだ目で師匠は引き受けた。口元が微妙に歪んでいるのは色々突っ込みたい言葉を必死に耐えているからだった。

相談者は漫画家ということで最初モブを連れて行こうかと考えていたが、因みにどんなジャンルですか?と訊いた際に
「これ描いてます!」
と自慢気に成人指定コミックを出してきたので即モブの出動は無くなった。

中学生ならばお年頃、河原にエロ本が落ちてる時代でもないし少しぐらいは…と師匠も同じ男として思わなくもなかったが、連れて行った場合もし律にバレたら、親にチクられるか警察にいかがわしい場所に連れて行ったと通報されかねない。
やっぱり今回モブには頼れないなと改めて思った師匠。
とりあえず今回の除霊に必要な道具を準備し依頼人の仕事場へ。
室内に入るなりどんよりと淀んだ空気に一瞬怯む師匠。
仕事場は物が多くあちこち何かしらが積み上がっていた。
「これは……写真以上ですね…」
事前の室内写真より酷かった。
「やっぱり……やっぱりですよね。最近本当に空気が濁ってる気がして、アロマグッズとか置いたんですけど。」
指差す先には謎の汚れが付いてるアロマグッズ。内心でだけドン引きしてる師匠。
「……なるほど、こいつは手強いぞ……」
「霊幻先生でもかなわないレベルの悪霊が…!?」
怯える依頼人。に、安心させるようににこやかに笑ってみせる師匠。
「安心してください。この淀んだ仕事場は必ずや浄化し、見事悪霊を溶かしてみせましょう!この霊幻新隆にお任せを!!」
と親指を立て自分を指し、ドヤ顔で決める師匠。
師匠の自信たっぷりな笑顔に救世主を見る目で拝む依頼人。

「では私はこれから除霊に入ります。皆さんは通常通りに仕事を進めてください。除霊なので霊が抵抗して多少ポルターガイストや騒音が起きる可能性がありますが、極力静かに行う予定なので、その辺はご了承ください。では。」
と空き部屋で着替えを済ませた師匠は依頼人とアシスタント達に告げると扉を一旦閉めた。
「先生、あれが霊能力者の霊幻先生ですか?めっちゃ大掃除の時の格好してましたけど…」
と困惑するアシスタント。
「あれがこの現場に相応しい服装なんだ!エプロンもマスクもゴム手袋も清めの塩で清められた聖衣なんだぞ!」
とすっかり師匠フリークになってる依頼人。
「清めの塩で清められた聖衣…!!」
アシスタント達にどよめきが起こる。
「なんか良く分からんが凄そうだ。」
「なんか心強くなってきましたね!霊幻先生の放つパワーですかね!?」
「多分そうだ!」
と勝手に盛り上がり勝手に士気が上がる一同。
その頃師匠はバケツに水を溜めていた。

依頼人とアシスタントが頑張って原稿を進める中、極力気配を消して極力音を立てずにうろちょろ作業する師匠。
何故か集中力が上がった一同は師匠の存在が全く気にならなくなり原稿は驚きの早さで仕上がっていった。

「できた!」
依頼人が両腕を上げ喜びのガッツポーズを取る。アシスタント達も歓喜の声を上げる。そして。
「な、なんだこれは…!」
声が震える一同。気がつけば室内はピッカピカで清潔感がハンパなく、照明がいつもより明るかった。
散らかってた物も全て綺麗に収納されている。
「なんだこれヤバい!」
「先生!なんか凄くそわそわします先生!」
と綺麗すぎて怯えだすアシスタント。
「今までで一番綺麗な状態……… はっ!?先生、霊幻先生は!?」
と依頼人が辺りを見回すとドアから登場する師匠。
「はーいお疲れまでーす。」
トレーにはコーヒー人数分とクッキー。
「霊幻先生!霊幻先生これは一体!?」
と部屋を指してパニクる依頼人とアシスタント達に
「まぁまぁ、落ち着いて。とりあえず清めのコーヒーと清めのソルトクッキーで一息入れましょう。」
と、配る師匠。
「あ、紙類危ないんでしまってくださいね〜。」
と注意する師匠。ほんとだ、アッブネー原稿に掛かったらやばいもんな!と和気あいあいなアシスタント達。
何時もより早く終わり何時もより綺麗な空間に心に余裕が出来て、みんな笑顔だった。
「しかし先生、すごく綺麗に整理整頓されてますが……トーンは…?」
「トーンならそこの使われてなかった引き出しにまとめてあります。トーンの柄と数字である程度分けました。」
と引き出しに柄と数字の表示されたラベルが貼ってあった。
「切れ端の部分を使用したので問題ないかと思いますが、いかがでしょう。」
「こ、こんなに見やすく分けていただいて!」
「文房具屋っぽい!」
「霊幻先生すごい!」
いままでお前達が雑過ぎたんだよ、とは言えない師匠は、にこやかに笑っておく。
「そういえば霊幻先生!先生は気功も使えるんですか!?今日かつてないほどに集中できたんですが!」
と興奮気味のアシスタント。俺も俺もと口々に集中力アップを報告する。
「気功ですか。そうですね…まぁ、多少は使ってしまったかもしれません。私ほどになると無意識に使っている場合がありますので。ああほら、あのアロマグッズなんかそうですよ。掃…浄化する過程で気が入ったんでしょう。」
とりあえず良いパスは便乗しとく師匠。
「更にこの清めのアロマオイル。これを皆さんの作業中にあのアロマディフューザーに仕込みました。」
「そ、そういえば凄くいい匂いがした!」
「随分ほったらかしだったあのアロマグッズ、ちゃんと使えたんですね!俺壊れてるもんだと思ってました!」
説明書読まないからだよ、と掃除中に見つけた箱とグシャグシャの説明書を思い出す師匠。
「こちらの清めのアロマオイルはサービスで置いていきます。また気分が重くなったりしたら使ってみてください。」
「ありがとうございます霊幻先生!!」
すっかりアシスタント達の心も掴んだ師匠。
「さて、それでは。以上で部屋の除霊は終了です。あとは皆さんに憑いてる小さな悪霊を溶かすだけですね。」
ざわめく一同。
「最近目の疲れが酷かったり肩こりが酷かったり、また寝不足や頭痛などは!?」
と真剣な面もちの師匠に言われハッとするアシスタント達。
「そういや俺めちゃくちゃ肩痛かった!」
「俺なんか3日前トイレでいきなり気絶したぞ!」
悪霊だったんだ!!とざわめくアシスタント達。
「このさい体も綺麗にしてしまいましょう。さぁ一人ずつ順番に除霊しますので、あちらのソファーのある部屋へ。って事であっちの部屋借りますね。」
にこやかに誘導する師匠。
担当に連絡を入れていた依頼人は快諾した。
「霊幻先生の除霊ってどんなんですかね、先生。」
そわそわするアシスタント。
「実は先生の事務所ですでに受けた。めちゃくちゃ体が軽くなって気分が楽になるぞ!天国に居る夢を見た!」
次の読み切りは天女の話にするぞ!と意気込む依頼人。
「天国…!」
と期待が膨らむアシスタント。

師匠の除霊を受けたアシスタントは皆元気はつらつとし、自分の番を待つアシスタントは早く除霊されたいと心待ちにしていた。

「はい。これにて全員除霊終了です。お疲れさまでした。」
と少しばかり疲労を見せつつ笑顔は崩さなかった。依頼人もアシスタントも感謝感激で、体調が良くなった仕事場の空気が清浄化したと喜んでいた。
「霊幻先生本当にありがとうございます!!あのこれ、うちのキャラのフィギュアなんですけど、依頼料とは別に、お礼として受け取ってください!」
と、モザイク掛かるレベルのエロフィギュアをドーンと師匠の前に出す依頼人。
「ちょ………いや、すみません、こういうのは……」
なんか凄いことになっちゃってる肌色率高い女の子(爆乳)フィギュアに笑顔が引きつる師匠。
「一応これプレミア付いてて高値でやりとりされてるらしいですよ。霊幻先生になら売られても文句ありません!」
今の自分にはこんな物しか…と気落ちする依頼人。
「お気持ちだけで結構です。フィギュアに関して私は素人ですから。あなたが大事にしてあげる事で、このエロフィ……女の子は、あなたの守護神になる事でしょう。」
「めるりんちゃんが守護神に!?」
「祭壇を作って飾ってあげると、めるりんちゃんが喜ぶかもしれませんね。」
めるりんちゃんとやらがちょっと刺激的すぎてフォローが雑になってきてる師匠。
そもそもモブが居るのにそんなもん仕事場に持って帰れるか、と内心愚痴る師匠。自宅用にする気は無いらしい。
(てか、マジで今日モブ連れてこなくて良かった…)
と、汁だくのめるりんちゃんを冷や汗混じりに眺めて思った師匠。





・最初エロ漫画家の仕事場を除霊して流れでアシスタントの一人にコミケ手伝いにかり出される師匠を妄想してたけど、そこまで行けなかった。力尽きた…無念。
コミケで何したかったって、自由時間にうろついたら自分の同人誌見つけてオイオイ人気者だなぁ〜!って立ち読みしたら自分受けで心に傷負う師匠だよ。
マスコミ×霊幻本を見かけてトラウマ生まれちゃう師匠だよ。「やめろ!俺に乱暴する気だろ!?エロ同人誌みたいに!」って言いながら怯えてる師匠が表紙だよ。茫然とする師匠を御本人降臨で驚愕のガン見してるサークル主だよ。


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