紅茶一杯。



二度目とモブ
2017年2月25日 13:33

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※ネガティブ注意



いつの間にかモブの自分への視線が尊敬から恋心のソレになっている事に勘付いた師匠。
尊敬と恋は似てるかもなぁ〜うんうん。と微笑ましい勘違いを優しく見守る師匠。
俺から指摘して赤っ恥かくより自分で気付いて後々枕に顔押しつけて悶える方がマシだろう。と黙っておく師匠。
そのまま暫くしたら、モブの視線が恋心から以前の視線に戻っていることに気付いた師匠。
そうかそうか、自分で気付いたか。傷が浅くて良かったな、モブ。
と優しい目で労ってやる師匠。師匠の唐突な優しさに困惑するモブ。

そのまま時は流れて、モブが成人した年。祝☆酒解禁!てことで師匠と飲みに行く事になったモブ。
モブの成長に喜びはしゃぎすぎてベロベロに酔っ払う師匠。酔っ払いすぎて、懐かしい思い出話からつい、モブの視線の話をしちゃった師匠。
「お前一時期、尊敬と恋愛がごちゃ混ぜになって俺に恋心抱いてただろ。」
と笑い話として話す師匠。淡々とビール飲むモブにニヤニヤ笑って
「まぁ勘違いに気付いてくれて良かったよ。間違いなんて思春期ならよくある!気にすんなモブ!」
と笑って枝豆食べる師匠。ジョッキを置き、じっと師匠を見つめるモブ。
「ん?どしたモブ?」
真っ赤な顔でモブを見つめ返す師匠。
「…今度こそ間違えないんで、大丈夫です。」
モブから固い決意を感じる。
「そうか、頑張れよ!」
と笑い飛ばす師匠。
ビールを一口飲み、
「…はい。頑張ります。」
と静かに意気込むモブにゲラゲラ笑いながら頭の片隅で
(今度こそ、ってなんか変な言い方だな…)
と思いつつ、思考が酒に流されて忘れる師匠。


それからモブは結婚し子供も作り、師匠は子供抱っこさせて貰って『師匠の望むモブの幸せ』にご満悦。

就職してからも師匠の所にはたまに遊びに来たり手伝い買って出たりするモブ。ああ正に望んだ未来だと幸せな師匠。
モブの幸せを、独り立ちを無事に見届けて満足して、じゃあそろそろ自分の幸せ探すかな、とか思ってた矢先。
道端でモブの奥さんと偶然会った師匠。奥さんから声掛けてきたから思い出せた師匠。
軽く会話してるうちに、なんとなく奥さんの不穏な空気に気付く師匠。
最近やたらお邪魔しちゃってすみません、ご迷惑かけてませんか?茂夫さんったら霊幻さんが大好きみたいで、家でもいつも話題にあがるんですよ。この間の休みは二人で泊まりがけで除霊に行ったんですよね。トラブルがなくて本当に良かったです。霊幻さんに何かあったら茂夫さんパニックになっちゃいますから。一昨日も茂夫さんが帰ってきた時にはもう子供は寝ちゃってたんですけど、茂夫さん幸せそうに寝顔をずっと眺めてて。せめて晩ご飯に間に合ったら良かったんですけどね。

と残念そうに言われて、遅くまで付き合わせてすみませんって謝罪する師匠。に、いえいえそんな、やだわそんなつもりじゃ無かったんですやっぱり霊幻さんは凄いですね、つい色々喋っちゃうわ。とか笑ってる奥さん。

家族の団らんの邪魔してたって気付いた師匠。反省して、もうモブに甘えるのは止めようと考える師匠。
芹沢さんも無事巣立ったし、今はもうたまに律が気まぐれに手伝いしてくれるくらいで、実質自分一人だからいっそ畳んじゃおうかな…とか考える師匠。
自分が『霊能力者』でいる限り、モブの手伝いを頼らなきゃならない部分が出て来る。なら霊能力者を辞めちゃえばいいんじゃないか、と。
そんな風に悩みだした頃、何日ぶりかで会ったモブの視線がいつかの恋心のそれと同じで、決心した師匠。
奥さんと会ってからモブをなるべく巻き込まないように事務所から遠ざけるようにしたせいか、明らかにモブがそわそわしだして、ついに前と同じ視線を投げてくるようになって、ああ俺はこいつの側に居ちゃ駄目なんだ。と悟る師匠。
せっかくモブが手に入れた幸せを自分が壊すなんて、とショックを受ける師匠。
モブに気付かれず去ろうとコソコソと事務所を畳んで、スッカラカンになった事務所を眺めてた師匠。
この場所とのお別れも済んで、さてそろそろ行くかとドアの方へ振り返ったら、ドアの前にモブが立ってる。
俯いて、小さくしゃくりを上げている。
「…バレちまったか。」
と苦笑する師匠に、顔を上げるモブ。ボロボロ涙を零して師匠を睨んでいるモブ。
「そんな顔すんなって。」
声をかけるとモブが走り出し、腰にタックルしてくる。なんとか倒れず踏ん張った師匠、ちょっとビックリするも、泣いてるモブの頭をポンポンとあやす。
すっかり一人前になったのに、情けないぞと言おうとすると
「…なんで、こうなるんだ。」
と師匠の腹に顔を押し付けてるモブが悔しそうにこぼす。
「アンタが望むとおりにしたじゃないか。僕は頑張った。なのにどうして。」
「モブ?」
「アンタが言ったとおりにしたのに。なにが不満なんだ。僕は頑張った、一生懸命頑張ったのに。なのになんでアンタは……」
グッと腰に回る腕に力が入った。
「またアンタは逃げるんだ……僕はなにを間違えたんだろう。ねぇ師匠、僕はどこで選択を間違えてしまったんですか。もう失敗しないって思ってたんです。メモだってした。ねぇ師匠。」
ずっと一緒に居られるルートを教えて下さいよ。
と焦点の合わない目で師匠を見上げるモブ。
師匠にしがみついて縋りついて、泣きじゃくるモブ。
「一緒に居られるならってあの恋心を諦めたのに。師匠が望んだ通りにすればずっと一生そばに居られると思ったのに。」
なんで、と呟き、なんで!と師匠の胸を拳で叩いた。師匠はモブを受け止めたまま、茫然自失していた。






・やり直し世界いいよね……なノリで軽率でした。すみません。
モブの側にいたらモブに良くないけどモブから離れてもモブに良くないって知って崩壊しかける師匠いいよね。(崩壊はしない)
腹括って、よしモブ待ってろ!俺がハッピーエンドにしてやるぞ!ってループ世界でモブも師匠も皆幸せになれる選択探す師匠とかとか。
てか最初ホラーのつもりで書き出しました。


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