紅茶一杯。



師匠味の飴か飴味の師匠で律霊
2017年3月14日 15:54

話題:二次創作文

※モブサイコ100
※律霊注意
※サラッとキスサラッと肌色注意



「ねぇ律。霊幻師匠味の飴と、飴の味がする霊幻師匠と どっちがいい?」
リビングで談笑中に突然訊かれて、意味が分からず一瞬フリーズする律。
「は…? えっと…?」
困惑する律に、茂夫は楽しそうに
「僕は飴の味がする師匠かなぁ。」
と言った。律は動揺して視線をウロウロさせながら
「ぼ、僕はどっちも…要らないかな……」
と返した。茂夫はそっか。と頷く。
「飴の味がする師匠はなんか、いい匂いがしそうだよね。」
キスとかも甘そうでいいよね。と話を振ってくる。律はドキドキと心拍数が上がるのを感じていた。
「律どうしたの?」
律の顔色が悪いと心配してくる茂夫に、大丈夫だよと返す律。
「な、なんで急に……そんな話をしたの…?」
「なんでだと思う?」
律はすっかり怯えて、膝に置いていた手をギュッと握りしめていた。冷や汗が酷い。
「どうしたの、風邪ひいたの?」
茂夫が律の額に手をあてる。ビクッと体が反応してしまった。
「あっ…ごめ、」
「謝らなくていいんだよ。」

『どっち』もね。

と囁かれて、律は目を見開いた。


(夢か…)
律は薄暗い天井を眺めた。実家の天井と違うと理解し、今現在の自分の状況を把握する。
(なんて夢だ。)
寝返りをうつと、隣には恋人…未満の人。
お互いに服を着ていないのに気付き、ああ、またやってしまったか。と落ち込んだ。

『どっちもね。』

律は夢を振り返る。茂夫の言葉の意味は解っている。しかし夢というのは願望でもある。都合のいい言葉を言わせてしまった、と律は猛省する。
霊幻とただならぬ関係になったのは成人してからで、その前からちょっかいは出していた。
霊幻に反抗的だった頃、ホワイトデーに色々悪いタイミングが重なり、喧嘩を売るつもりで霊幻を挑発し、誰かに渡す予定だったお返しの飴をその口に突っ込んだ。そしてあろうことかその飴が溶けるまで唇を貪った。
立派な黒歴史を久々に思い出した律は頭を抱え悶える。
隣でスヤスヤ眠る霊幻は全く反応しなかった。
(兄さんの、あの質問は…)
夢の中でのあの質問。茂夫が、飴の味がする師匠を選んだのは。
(まさか……いや、多分罪悪感だ。)
兄が大切にし尊敬していた人を汚し、結果奪ってしまったことの。
(兄さんは知らないはずだ。)
だから、あれは自分の罪悪感が生み出したもの。律は目を手で覆った。
律は茂夫に、ずっと言えずにいる。霊幻と今どういう関係なのか。
その罪悪感のせいで見た悪夢だったんだと思う律。
「んん…」
もぞりと身じろぐ霊幻。寒いのか、律の体温に寄ってきた。それを受け入れる律。

『ねぇ律。霊幻師匠味の飴と、飴の味がする霊幻師匠と どっちがいい?』

頭の中で茂夫の声がする。律は目の前の霊幻に顔を寄せて、その頬に舌を這わせた。霊幻の閉じた瞼がピクッと震える。
「………霊幻さん味の霊幻さんがいいな。」
と潤んだ目で呟くと、大事に抱き寄せて目を閉じた。





・最初飲み友律霊にしようとしたけどホワイトデーのくだりで設定破綻したので、別次元の律霊です。同棲はしてる。
でも正式に付き合ってない。(その辺のけじめがついてないのも律のストレス。)



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