話題:二次創作小説
以前に晒した
幸政小話の続きを書いてみた。
なんか最近ストレスが溜まってるのか文が書きたくなる←
どんなストレスの溜まりかたw
えー以前書いたのが戦国時代。
今回は現代です。
戦国→現代。
輪廻転生ってやつです。
きっと幸政って政幸より需要ないだろうな、とは思いつつ何故か一番書きやすいから困る。
政幸も勿論好きなんだが、なんか書きにくい気がするんだよなー。
小十政は全然書ける。
佐政も大丈夫。
てか佐政を今度挑戦してみようか。
家三も書いてみたいが、要勉強ですね。キャラがまだ掴めてない。
とりあえず今回は幸政でー。
BLですので悪しからず。
苦手な方はばっくぷりーず。
花弁が舞う。
視界一面、薄紅一色。
埋まったはずの視界の向こう、
鮮烈な紅が、見えた気がした。
『消えぬもの』
夢を見る。
いつかは知らない。
どこかも分からない。
ただ、花弁がひらひらと舞っていた。
静かに、潔く。
だが他はすべて曖昧で、見えないし分からない。
ただ自分を包む暖かさだけがやけにはっきりとしていた。
だが次いで訪れるのは喪失感。
自分を包む暖かさも、また自分自身の熱さえも失う、喪失感。
そこで一気にすべてが遮断され、いつもその場面で目が覚める。
夢から覚めて頭を捻ってみても、それがいつで、どこなのか見当もつかない。だってその場所を俺は知らないからだ。
知らないはず、だからだ。
なのに、目から覚めると水が頬を必ず伝っている。ぎし、ぎし、と、胸がどうしようもなく痛む。何度繰り返したって慣れやしないほどに。そして温かい何かに包み込まれた感触が、いつまでたっても消えない。
どうにかしたくて。
なんとかしたくて。
助けてほしくて。
ふと、誰かの名を呼ぼうとするのに、その名前を持っていない己に気付く。
それにまた涙が溢れる。
ああ、なんて醜態。
何故あんな意味の分からない夢を己の頭は何度も見せるのか。
答えなんて出てくる訳もなく、気付けばまた春。
…毎年理由もなく頭が痛む季節がまた訪れた。
「おーい政宗!まぁーた桜、見てんのかい?」
「…Ah〜風来坊か」
薄紅を映していた瞳を後ろに向ける。ぼんやりと見遣った先には同じクラスの前田慶次がいた。
相変わらず五月蝿い男だ。
眠そうにふらふら登校する生徒なんかには目もくれず、全快の笑みを浮かべてこちらに向かって歩いてくる。生憎だが朝からそんなテンションに着いていけるほど血圧は高くない。
「元気ないねぇ!」
遠慮もなく放たれた大声に軽く目眩がした。
知らず眉間に皺が寄る。
「Be quiet!静かにしやがれ!」
いらっとしてそう叫ぶも、叫んだ自分の声が逆に頭に響いて頭を押さえるはめになる。
馬鹿か俺は。
「ありゃりゃ、相変わらず低血圧ってやつかい?」
「…分かってんなら、耳元ででかい声をだすんじゃねぇ」
「悪い悪い!」
その声すら響くんだ!とは叫ばず黙って無視を決め込んだ。同じことを二度するほど馬鹿ではない。
「にしても、そんなに桜が好きかい?」
「Ah〜?」
「この季節になると、毎年食い入るように見てるじゃねぇか」
「そうだったか?」
指摘されるも無自覚だったので首を捻る。そんな毎年見入っていただろうか。
生憎記憶がない。
むしろ誇るように咲く薄紅が、余計に頭を痛くさせているような気がして好きじゃなかった。
でも目は離せないのだ。
どんなに痛んでも、見てしまう。
それが自分らしくない気がして、堪らなく嫌だった。
「…そうでもねぇよ」
そう否定した言葉は複雑な感情がいろいろと混ざってしまっていた。
それに気付いた慶次は一瞬眉を寄せる。そんな表情も次にはあとかたもなく消え去っていたが。
「そうなのかい?てっきり好きなのかと思ってたぜ。まるでアンタが桜に掠われちまいそうな気さえしてたんだけどな」
「なんだそれ」
「桜には精がいるんだぜ?何十、何百年と生きる精霊が」
「お伽話なんて信じない質でな」
「信じる信じないはいいとして。知ってるか?悠久を生きる桜の精は綺麗なものが大好きなんだ。例えばそう、政宗みたいな」
「なんでそこで俺が出てくる」
「あれ自覚なし?」
「…意味わかんねぇ」
「ま、気をつけろってこった」
「は?」
意味の分からない言葉に、視線を向けるも返ってきたのはいつもの飄々とした笑顔だけ。
何が言いたいのか、今度は言葉で問おうとした、その時。
「こらーっ慶次ー!何故昨日帰って来なかったのです!どこでなにをしていたんですかっ!!」
「げっまつ姉ちゃん!」
途端、耳に届いた聞き慣れた怒鳴り声。それは今政宗の隣にいる慶次の姉のもので。また政宗達が通う学校の家庭科教師のものでもあった。
またこいつは家に帰らなかったのかと呆れた表情で慶次を見ると、慶次も苦笑をこぼした。
「慶次、今日は逃がしませんよっ」
「っと、のんびりしてる場合じゃねーな。じゃーな、政宗!また教室でっ」
「はぁ…さっさと行け」
「慶次ーっ!」
だいぶ近づいてきていた家庭科教師の声を背に、慶次はさっさと逃げ出した。
それを見送りながら、まったく騒がしい奴らだとため息をこぼし、政宗はやっとその場から動き出す。いつまでも桜にばかり気をとられてはいられないのだ。
そう、いくらその色から目が離せなくても。
いい。
いいんだ。
どうせ、これが散るまでの間だけだ。散れば全てがもとに戻る。
頭痛も。
あんな訳の分からない夢からも解放される。
だからやり過ごせばいい。
今年も、来年も、その次の年も。頭痛から、夢から解放されるまでずっと。
…それが根本的な解決になっていないことに気付いていても、
これまでだってそうしてきたんだ。そうして、きたじゃないか。
その度に、胸は軋み、いつだって訳のわからぬ悔しさに心は悲鳴を上げていたけれど。
キーンコーンカーンコーン…
始業前の鐘が鳴る。
さぁ急げ。
遅刻なんてして堪るか。
そう、思うのに。
「俺にどうしろっていうんだ!」
動き出したはずの足は止まり、そこから一歩も踏み出せない。
目の前には舞う花弁。
決して目を逸らすことを許さない薄紅色。
逃げることは出来ないと、
忘れることもさせないと、
逸らすことも逃げることも忘れることも、決して許しはしないのだと舞う薄紅色。
まるであの時のようだ。
儚く、しかし潔く散るその姿が。
「――、」
気付けば政宗は、無意識に誰かの名を呟いていた。
……きっとそれは、かつてとてもとても大事だった人間の名―。
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長っ!
そして未だ幸村不在w
続きはまだ書いてないとゆー。