※バイト妃時代のヒトコマです。
二次に耐性のある方(原作至上主義のかたは、ご覧にならない方が良いと思います)
話題:二次創作小説
つらつらと書いてました。
狼陛下の小説自体は凄い久しぶりです。
スマホの文字入力が、やりにくくて書かなくなったのが、一番大きいかなー。
これから少しずつ書いていけたら。
今回は前後編で分けました。
完成したら、改めて支部にアップしようかと(*^▽^*)
では、追記からどうぞ★
珍しく、仕事が早く片付いた黎翔は、自室にて文を認めていた。
文の送り相手は無論、愛おしい妃の夕鈴だ。
たまには恋文でも送り、彼女の反応を愛でたい。
…ーもっとも、余りに凝った内容を書けば、たちどころに「女たらし」だの「からかって遊んでいる」だの極寒の視線を叩き付けて来るから困り者だ。
わかりやすく、簡潔に。
それでいて愛情深く。
(我ながら、彼女にこうも翻弄されているとはな)
くく、と口許を綻ばせながら筆を走らせる。
さて、愛しい我が妃はこの文を読んだ時に、どのような様で自分を楽しませてくれるのか。
顔を真っ赤にしてモジモジするか、先の考えの様に、自分で遊ぶなと怒り出すのか、もしくはー…。
思考を巡らせていると、侍女より妃の来室を告げられる。
無論、二つ返事で招き入れ、すぐに侍女を下げさせる。
「どうしたの?ゆーりん」
「いえ。浩大から、今日はもう陛下のお仕事は終えられて、のんびりされているって聞きましたので…」
毎回、部屋まで足を運ばせるのも申し訳無いので、ゆっくりしているのならと自分の足で来た訳だ。
「寵愛を受ける立場の君が、わざわざ来なくても良いのに」
クスクス笑いながら、優しく長椅子に促す。
そう。
本来なら、国王が舞い降り羽根を休める時の為に。
その時を日々を待ち焦がれる立場の妃。
その妃が、自ら国王の部屋に足を運ぶなど、前代未聞である。
もっとも、その「前代未聞」なのが彼女の魅力でもあるのだが…。
「す、すみません。紅珠から頂いたお菓子が、とても美味しくて…。
ぜひ、陛下と一緒に食べたかったので…。へ、部屋で大人しく待つべきでしたよね…」
事の次第を理解したのか、赤面し項垂れる。
もしもこの場に李順がいたら、漏れ無く落雷の様な説教だろう。
しかし当の黎翔は全く気にしていない。
「仲良し夫婦としては、良いんじゃない?早速食べようか?」
「はい!じゃあ、お茶をいれますね?」
気を取り直し、席を立つのとほぼ同時に、窓から気持ちの良い風が入る。
風は黎翔の机に置いてあった手紙ー…。
夕鈴への書きかけの恋文を拐った。