話題:二次創作小説


さくらんぼ 大塚愛


「ねぇ、もう2年なんだねぇ」

「ん?そうだね。もう2年だね」

「なんかあっという間だったね」

「うん」

「いろいろひどいこと言ったりしてごめんね」

「いやいや。俺も言ったし」

「でも楽しいことのが多いよね」

「いろんなとこ行ったし、いろんなことやったもんなぁ」

「だねぇ」

彼は2年も誰かと付き合ったのは、私が聞いた限りじゃあ私だけだ。私は4年くらい付き合ったやつが居た。あいつを越えるやつはいないと思ってたのに、軽々と越えていく。私の気持ちも、思い出も。たった2年なのに、彼ならいつまでも一緒に居られる気がする。

あいつとの思い出は、そりゃ楽しいことも嬉しいこともあったけど、思い出すのは辛いことばかりだった。それでも、越えるやつはいないって、それほど好きだったのは、初恋の相手と4年を越えてまた恋に落ちたからだろう。いや、私のためにって言っていろいろしてくれたっていうのもあったのかもしれない。体の弱い私のために免許を取ってくれて、いろんな所に連れて行ってくれた。私がお台場で足を捻った時は、たくさんの人の中、おんぶして駐車場までの長い道のりを歩いてくれた。整体の勉強をしたいって言ってたのに、私と早く結婚したいからって言って就職してくれた。
本当は私のためではなかったのかもしれない。少しはあっただろうけど、免許は浮気相手に会うためとか、将来を考えてってことだと思う。でも、高校生の私には凄く、それが嬉しかった。

でも、今の彼は、本当になんでも私のためだ。もし私と付き合ったら3ヶ月後にはそっちに引っ越すとか言って、付き合ったら本当に3ヶ月で引っ越してきた。浮気の影は全く無いし、仕事で必要だからって取った免許は仕事よりも私とのデートにばかり使っている。私の病院にも付き添ってくれて、「可愛い」とか「愛してる」って毎日言ってくれる。最愛にして最低だった元彼を余裕で越えて、私の心を鷲掴みにしたまま少しも手を緩めない。

彼との甘い思い出ばかり。この2年は中身がいっぱいいっぱいに詰まってる。

付き合った最初の頃はたくさん喧嘩して、泣いてばかりだった。彼を泣かしたこともあった。
免許を取る前、自転車で2人乗りして、いろんな所に行った。ピクニックとか、流星群を見に遠くまで行ったり。
彼と居ると、日記には書ききれないほどたくさんの思い出ができちゃって、省略するほどだった。

いつも愛を感じた。どれくらい愛をもらったかわからない。ビニール袋を持って帰ってきては「これ好きでしょう?」って渡してくれる。ほぼ毎日なんだから困る。嬉しくて笑顔になる。
私ももちろん、全力の愛をあげた。それでも、彼からもらった愛には届いていないかもしれないなぁ。

一緒にカーペットを敷いたり、一緒に夕飯を作ったり、一緒に掃除をしたり。2人でやるのは本当に楽しい。

たった2年なのに、私たちの歴史は本当に深いものになった。
どれか一つでも欠けていたら、私たちの絆はもう少し低かったかもしれない。全てが今の私たちを作ってくれた。

「私たちの未来ってどんな感じかな」

「今みたいにラブラブだと思うよ」

彼は笑顔でそう言った。

「今みたいに、抱き合ってたいな。繋がっていたいな。いつも隣に居てほしいなぁ」

「なに言ってんの?そんなのずっと続くに決まってんじゃん」

「そっか。ならよし」

あなたとわたし、ずっと隣どおし。