二次創作小説
自己満足の世界です。何故か死んだ人が出てきたり、オリジナル設定が出たりするかもです。
留学生はいつも一人の野郎を目で追っている事に俺は気づいた。
「総悟?お前何見てんだ?」
そして俺が留学生をずっと目で追っている事にも気づいた。
「大丈夫ですよ、土方さんは視界に入ってませんから」
こんなにムカつく野郎が目の前に居るのに、アイツを見てると――口元や目尻がゆるむ。
「お前一回やるか?俺が本気を出したらどんなもんか見てみるか?あ?」
どんなにムカつく事を言われても。
「トシィ、お前いつまで経っても大人げないな。いくつだと思ってんだ。総悟?お前も少しは他人を敬う心をだなァ」
どんなに大切な人が話して居ても。
「おい、サド。今日は日直の仕事ちゃんとやれヨ。こないだは私が一人でやったアルよ?私を他の女と一緒にするなヨナ」
顔が綻ぶのが分かる。目が下に下がって行くのが分かる。
「ああ、お前を他の女と一緒と思った事はねェよ。チャイナ」
それでも俺は何もコイツに伝えられない。綻ぶ顔を無理に作り、下がる目尻をグっと上げる。
「だからそのチャイナってガキっぽい呼び方は辞めろって言ったはずネ。留学生なめてんじゃナイアル」
目の前の机を叩きつけた手を取り、引き寄せたくなるが、俺は頭の中でさえもそれはしない。
俺には見えてる。
「神楽ー。弁当忘れてっただろ」
「銀ちゃんっ」
担任であり、同居人である坂田銀八。
「なんだ?沖田お前眉間にそんなシワよせてっと、土方みたいな顔になんぞ?」
教師とは思えない教師。
「そんなヤツどうなってもイイネ。それより銀ちゃん!今日国語準備室行くから、一緒にお昼食べたいアル」
そんなヤツを留学生は真っ直ぐ見てるんだ。
―――――1・完
一応これから先も続きます。