話題:二次創作小説
ありえない設定の続きです。
追記からどうぞ!
「料金はさっきの奴につけとけよ」
「飲んでない方からそんなのはいただきませんよ」
立ち上がった彼を見送るために私も立ち上がると、銀さんと目が合う。……いや、あれはきっと合ってない。私の勘違いだわ。もし仮に目が合っていたとしたら、何故追ってきてくれないの? 何故……。
「おいおい、客の前ではせめてそんなシケた面はするんじゃねぇよ」
人を小バカにする憎たらしい笑いが、私の目頭をゆるませる。
「……ついてくるか」
人と目を合わせるのを怖いと思ったのは初めてだった。否定や拒否する事を許さない目をきっとしてる。刺さるようなオーラで、私はそう感じとった。
「今日は真選組の局長の女ってのを拝みに来たんだがよ、これがどうも昔の知り合いの女だったらしい」
「……なっ! 違うって言ってるじゃないですか! 」
瞬発的に言い返したと同時に私は彼の目を見てしまった。
「帰りたくなりゃ帰ればいい。しばらくは江戸に落ち着くつもりだ」
私の想像通り確かに否定や拒否を許さない目をしているけれど、その目を怖いとは感じなくて、もっと晋助さんに興味を持ってしまった。
「どうする? 」
そう言ってすぐに足を進める晋助さんは、私の答えを聞く気も、待つ気も無いらしい。私は答えを考えずに、とりあえず足を進めた。
「少し送って行きます」
送りながら考えればいい。私は優柔不断な性格じゃないわ。きっとすぐに答えを見つけれる。
そう自分に言い聞かせて真っ暗な夜の道を進んで行った。
現在(イマ)みたいな答えが出ない状態が続くとは思わずに。