話題:二次創作小説
ありえない設定の続きです!
追記へどうぞ!
二人が出て行ってからずっと考えた。
私は結局何も教えてくれない銀さんにスネて、タイミング良く現れた晋助さんに縋っただけ。
「何が……侍の娘よ」
「ホントッスよ」
晋助さんと同じように出窓に座っていると、襖にまた子ちゃんが寄り添っている。
「ずっとそうしてたんッスか! 」
「かれこれ……五時間くらいかしら? 」
ドカドカと近寄ってきたまた子ちゃんにバシっと頭を叩かれる。この子に叩かれてもイラっとこない、と言うより、この三日間何があってもイラっとしない。
「アンタが出て行く事を選ぶのか残る事を選ぶのかは知らないッスけどね! どっち選んでもアンタならイイッスよ! 」
顔を真っ赤にしたまた子ちゃんが私の着物の裾を掴む。
「志は違うくても、アンタなら一緒に飯……いつでも食べれるッス! し、晋助様も絶対許しますからァァァ! 」
顔を腕で隠すようにして、走って部屋を出るまた子ちゃんは出て行ってしまい、入れ替わるように万斉さんが部屋に入ってくる。
「きっとお妙殿の中で答えは決まっているんじゃないかと思ったのでこれを渡しておこう」
渡されたビニール袋の中にはお通ちゃんのサインの入っているCDが何枚か入っていた。
「ずっと帰るタイミングを見計らっていたでござろう? 」
万斉さんが押してくれた背中が砕けてしまいそうだった。ずっと相談していたからだとは思うけど、私はその背中を今は押して欲しくなかった。
続きます。